先月は、1ドル161円だった為替相場も気が付けば1ドル143円にまで円高が進んできました。すでに11%も円高に振れています。米国株を含めた外国株に投資している場合は株価が全く同じだったとしても、円換算した資産は11%も減少した状態となっています。
為替変動でダメージを食らう可能性があるのが外国株の難しい所だね
為替変動リスクがあるのを分かって投資していても辛いよね
米国では、9月に利下げする事が濃厚となっています。ほぼ確定で9月に利下げを行う事になるでしょう。そして、その後は経済状況や雇用状態、インフレの様子などによって変わってくると思いますが、基本的には利下げを継続していくという方向性となっています。
米国が政策金利を引き下げれば、日米の金利差は縮まっていく事になるので、当然ながら円高圧力が強まっていく事になります。
現在の市場での想定では、9月に利下げを行った後は、年内にある残り2回のFOMCにおいても利下げを継続していき、今年度は3回の利下げで合計1.00%の利下げを行うという想定が有力視されています。
現在の政策金利が5.50%なので、年末には4.50%になっているという感じです。
単純に比較するのは適切ではないのですが、米国の金利が4.50%だった時のドル円相場は1ドル130円ぐらいでした。なので、このくらいの水準にまで下がって不思議ではない感じです。
為替相場は、すでに大きく下落した(円高に進んだ)ように感じられますが、まだまだ円高に振れる余地は残されており、9月以降に実際に利下げが開始されていくと、更に円高が進行していくと思います。
今の水準(1ドル143円)から1ドル130円の水準にまで円高になると、円換算した米国株は現在の状態から更に10%も下落したのと同じぐらい減ってしまいます。
この程度に留まってくれると、まだマシなのですが、更に円高が加速していく事もあり得るかなと思っています。
1ドル130円台を突破して、1ドル120円台に突入するようなことがあると、加速度的に円高が進んでいくのではないかなと感じています。そうなると、円換算した資産は現状から更に16%も目減りする事になります。
利上げする前のドル円相場は大体110円~120円あたりで推移していたので、利下げが順調に進んでいく事になれば、このぐらいの為替相場の水準を目指していく可能性が出てくるので、円高が急ピッチで進むと円換算した資産が今よりも20%近く減ってしまう事も想定しておいた方がいいかもしれないなと思っています。
米国の金利政策だけでなく、日本の金利政策も転換期に差し掛かっており、日銀としては利上げの方向性に進みたい意向です。しかしながら、前回に利上げした際に「経済、物価が想定通りなら金利を引き上げていく」と発言した事で急激な株安などの金融混乱を引き起こしたので、現在はトーンダウンしています。
それでも、いずれは日銀も利上げに踏み切る時期が来ることになるので、そうなるとますます日米の金利差は縮まっていく事になるため、円高へ進むことは避けられないと思います。
どの程度まで、円高が進むのかなどを予測する事は非常に難しいのですが、とりあえず現状よりも円高が進むことは覚悟しておく必要があると思っています。
米国株に投資していると、円高になるだけで資産が減ってしまうので、せめて米国市場の株価だけでも最低限現状維持してくれるか、願わくは少しでも上昇してくれると有難いですよね。
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