EV専業企業は、テスラしか生き残れない

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1~2年前までは、EV(電気自動車)が時代の申し子としてもてはやされており、各国の自動車メーカーはこぞってEV化へと舵を切っていました。従来のガソリン車とは違って、部品数も少なくなり、生産が容易になるEVには従来の自動車メーカー以外の企業からの参入も相次ぎ、全くの新興EV企業なども現れました。

新しい産業が始まるのって夢がありますよね

EV化は、「馬車から自動車へ」以来の新時代への到来と言われていたね

将来的には、ガソリンエンジンの車は生産を終了して、すべてEVへの販売へと切り換えるという目標が各国で建てられていき、欧州などでは2035年以降には全てのガソリン車の販売を禁止して完全EV化へと舵を切ると発表していました。これは、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車なども販売できずに、完全なEVのみとなる予定でした。

しかしながら、この欧州での完全EV化への決定は、その後に覆される事となり、環境に良い合成燃料を使うエンジン車は認めると表明しました。これにより、一部のガソリンエンジン車は生き残る事となり、完全EV化は少し遠のいていきました。

EV化にあたっては、やはり電気充電ステーションの拡充不足が一番の問題となります。圧倒的に電気充電ステーションが足りておらず、都市部においては一定量の電気充電ステーションがありますが、地方にいくと皆無に近い状態となります。これではEV車が普及するのは困難です。

また、充電時間にも問題を抱えており、急速充電を使用しても30分~1時間程度が必要となり、ガソリンのように3分~5分もあれば満タンになるのとは雲泥の差となります。自宅に充電設備を整えていれば、夜間にゆっくりと充電する事が出来ますが、マンション等に住んでいれば急速充電等の電気充電ステーションの利用が前提となってしまいます。

ただ、いずれは技術革新によってバッテリーの性能が向上する事に繋がっていき、充電時間は減少していく事が想定されていますが、当面は充電に時間が掛かる事になります。そのため、EV車が急速に普及していくには難しい部分があり、欧州などでもEV化への対応を後ろ倒しにしていく方針に舵を切っていました

この状態に、EV化を進めてきた自動車メーカーも苦戦しており、メルセデス・ベンツは2030年までには新車の販売を全てEV車にするという方針を後退させて、2030年代はガソリンエンジン車の販売も継続すると表明していました。

ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなども、EVの生産量を減らして、ハイブリッド車を増産するなど戦略の軸足をずらしてきており、各社ともEVに苦戦しています。特に、新興EV企業は厳しさを増しており、リビアンなどは今年の年間生産量が大幅に減少する事となり、従業員を10%削減する事になっています。

そんな流れの中、EV業界の先駆者であるテスラも苦戦を強いられており、今年の販売台数は去年の伸び率を大幅に下回る可能性があると発表しています。

EVの需要の低迷を受けて、EV販売価格も下落をしており、各社の収益を圧迫する要因となっています。

そんな状況下で、EV企業が生き残っていくのは非常に厳しく、現状ではEV専業企業ではしっかりと利益を出せているテスラだけが生き残る可能性が高そうです。

このままスムーズにEV化が進むのは難しく、電気充電ステーションの拡充が進まない限りは、当面はガソリン車とEV車の兼用が現実的な対応となります。

そういった中で、自動車メーカーがとる戦略としては、「EV専業」「プラグイン併用」「全方向戦略」と分かれています。

暫くジリ貧が続きそうなEV専業に関しては、テスラ以外は非常に厳しい状況に追い込まれると思います。一方で、BYDなどはプラグインも生産しており、EV化への進みが遅くなっても、BYDはプラグイン車で一定の対応可能となります。また中国自体は国策もあってEV化を強く勧めそうなので、有利な状態ともいえると思えます。

一方で、トヨタのように全方向戦略を取っている企業は非常に手堅いです。当面は、現状のガソリン車やハイブリッド車で利益を稼ぎ、一定のEV車も販売しながらも技術力を向上させて、EV化の本当の進捗具合に合わせてEV車増産の対応をしていく事になると思います。

自動車メーカーは、EV専業のテスラプラグインも併用しているBYD全方向戦略のトヨタの3強が今後の自動車業界を牽引していくのではないかなと思っています。

   

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 私は先日発表されたテスラの決算を見てテスラの株を全て売却して利益確定をして、すぐに日本株のトヨタ自動車の株を購入しました。
    今回のよしぞうさんのブログの記事は、まさしく私の考えと行動を表しているような記事でしたのでビックリしました。
    なお、BYDの株も中国の深圳市場A株で保有しています。(現在の中国株の軟調を表しているようにBYDの株価は大きく下げて含み損を抱えています。(苦笑))
    トヨタ自動車のハイブリット車の巻き返しが今後、自動車業界に大きく影響を与えると思います。
    ただ、テスラの株も暴落したら買い戻すつもりです。
    今後の自動車業界はEVとハイブリット車、プラグイン車の三つ巴になると私も思います。

    • おはようございます、せいさん。

      今年のテスラは厳しい感じがしますよね。ただ、EV専業企業ではここだけがまともな経営が出来ているので、テスラは生き残れると思っています。
      BYDは、国策の後押しもあり、プラグインも並列して販売しているので、世界に通用する中国企業の代表格として生き残ると感じています。
      トヨタは、当初はEVに出遅れたと感じていたのですが、しっかりとした経営のかじ取りで、安定した運営になっていますね。
      各社とも、それぞれの強みをいかしつつ、三つ巴の展開になっていくのかなと思っています。

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