暴落が起こる事で有名な10月。米国株市場において歴史的な暴落が10月に起こっていた事から、暴落の10月と言われる事もあります。
ブラックマンデーとかが有名だよね
教科書にも載っているぐらいの歴史的な暴落ですよね
8月・9月と米国株市場は下落しており、更に10月まで下落するとなると、今年1年間の相場自体も下落相場へと転換していくかもしれません。
10月~12月にかけて大きく下落をした2018年の再来となるのか? 上昇が止まらない長期金利にヒヤヒヤしながら、多くの投資家が今後の状況を心配そうに見つめています。
今回は、そんな10月の相場についてのお話です。
基本的には上昇している10月の相場
10月の相場というと、暴落している月間というイメージが強いのですが、それは何度か歴史的な暴落があったからという事で強い印象が植え付けられているからであって、通常の相場では10月は上昇している事が多い相場となっています。
ダウの過去30年間の月間騰落率をみても、10月は比較的好調です。
これをみても、10月は1.5%の上昇となっており比較的安定して上昇している月間となっています。その後の11月や12月も上昇している事が多く、1年間で最後の四半期となる第4四半期は基本的には上昇傾向になっている事が多いという事になります。
米国株は年末ラリーとなっていき、年末に向けて上昇しやすいアノマリーがあります。特にサンタクロースラリーは有名で「年末の5営業日および年始の2営業日は上昇しやすい」というアノマリーになっています。
とりあえず、通常の相場では10月は上昇しやすい時期となっています。
過去に暴落した10月
それでも10月の相場に警戒感が強くなるのは、やはり歴史的な暴落が多かった事と、8月・9月は下落している事が多く、その流れを引きずってしまうからです。
有名な10月の暴落は、この2つですよね。
1929年10月24日 暗黒の木曜日(ブラック・サーズデイ)
1987年10月19日 暗黒の月曜日(ブラック・マンデー)
1929年10月24日の「暗黒の木曜日(ブラック・サーズデイ)」はその後の世界恐慌のきっかけといわれており、株価の大暴落は1か月も続いたと言われている投資家にとっては恐ろしい暴落ですよね。この暴落の本当に怖い所は、ダウが1929年の水準に戻ったのは、なんと1954年になってからという事なので、25年間も株価が戻ってこなかったという長期投資家にとっては致命的な出来事だったんですよね。
1929年の暴落は、暗黒の木曜日と呼ばれていますが実は一番暴落したのはその5日後の火曜日の相場が暗黒の木曜日を越えて一番大暴落しているんですよね。最初に大きく暴落したのが木曜日だった事から暗黒の木曜日と命名されて、ここを起点に暴落が引き起こされ、世界恐慌へとなっていきます。
そして、もう一つ有名な暴落が1987年10月19日の「暗黒の月曜日(ブラック・マンデー)」ですよね。1929年の暗黒の木曜日を上回る大きな暴落となっており、ダウの1日の下落率は過去最高となる22%の下落という今では考えられないぐらいの大暴落となっています。
私達の記憶に新しいコロナショックの時のダウの1日の最大の下落率が12%だったことを考えると、暗黒の月曜日(ブラックマンデー)は単純にコロナショックの時の2倍の下落を引き起こしていたと思うと恐ろしい程の急落で大暴落だったんですよね。
現在では、サーキットブレーカー制度があるため急落しても一時的な停止処置(冷却期間)があり、停止処置後も大きく下落を続けた際には売買停止処置がある事からブラックマンデーのような20%を超える暴落はなくなりました。
サーキットブレーカー制度
レベル | 対応処置 |
---|---|
レベル1 | S&P500が前日終値より7%下落で15分間取引停止 |
レベル2 | S&P500が前日終値より13%下落で15分間取引停止 |
レベル3 | S&P500が前日終値より20%下落で終日売買停止 |
なので、1日で20%以上も暴落する事はなくなったのですが、大きな下落が続いて何度もサーキットブレーカーが発動されたコロナショックなどは、連日の急落とサーキットブレーカーという非常事態の連続に投資家の心理は落ち着くどころか不安が拡大していました。
一応、市場の動揺を落ち着かせるためにサーキットブレーカーは発動されますが、サーキットブレーカーが発動された事自体にビビッてしまう事がありますね。
今年の10月は更に下落が加速する
さて、今年の10月は始まったばかりですが米国相場は下落をしており、今後も下落が続いていくのではないかという警戒感が高まっています。
底堅い米国経済と好調を維持している労働市場。特に労働市場が雇用に意欲旺盛であり、平均時給なども上昇傾向にあるためインフレの高止まりが懸念されています。
現在の市場の想定では利上げは現状の金利5.5%が最高値であり、利上げはひとまず終了したという想定が多勢となっています。
市場の金利の想定
ただ、FRBはインフレに警戒感を示しており、労働市場の好調さに懸念を表しています。何人かのFRBの委員は更なる利上げが必要だと発言しており、追加の利上げの可能性はまだ残されています。
長期金利も上昇傾向となっており、長期金利が5%を超えてきたり、追加の利上げがあったりするようであれば、株式市場の下落は更に進んでいく事になります。
現状の状況を恐れている投資家は多くなってきており、Fear & Greed Index(恐怖と欲望のインデックス)は17ポイントで「EXTREME FEAR」となっており、極度の恐怖状態になっています。
まとめ
今後の相場は、先行きが不透明なため警戒は必要だと思います。更なる株価の下落に備えておく必要はあると思いますが、大暴落するとかの過度な警戒までは必要ないと思います。
有名なアノマリーであるハロウィン効果のように、「10月に買って5月に売れ」のように今月は仕込み時なのかもしれません。
すでにダウ平均は昨日(10月3日)の下落で年間リターンがマイナスリターンに突入しており、今年の上昇分を全て吐き出してしまいました。
ダウ平均の今年の値動き
今後、市場が一定の下落をするようであれば、キャッシュを保有している人にとっては押し目買いのチャンスになるかもしれません。ただ、現状では為替レートが円安状態となっているので、買うには少し不利な状況となります。
ドル円相場は150円あたりになっており、150円を突破する事が続くようであれば、今月中に為替介入があるかもしれません。その際にドル円相場が円高に大きく降れており、円高+米国株安となっていれば、絶好の仕込み時になるのではないかなと思っています。
とりあえず、今月は一定の下落をするかもしれないという警戒感を保ちながら、更に一時的であったとしても円高に振れる事があれば、チャンスだと思って、資金を投下していこうかなと考えています。
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