近年で一番勢いのある企業と言えば、エヌビディアだと思います。数年前までは、一部の投資家に人気のグロース株といった感じだったのですが、今では米国株だけでなく日本株をやっている人でもほとんどの人が聞いたことがあるぐらいの有名な企業となり、世界中の株式市場に影響を与えるほどの企業となっています。
今ではアップルに次いで世界2位の時価総額だよね
かつての王者インテルも今では足元にも及ばないですよね
飛ぶ鳥を落とす勢いという感じで、ドンドンと規模も大きくなり、あのマイクロソフトやアマゾン、アルファベットなどを抜き去って時価総額世界2位になっています。
そのエヌビディアの強みは、半導体のGPUですよね。従来はインテルなどが生産していたCPUが半導体の主力商品だったのですが、AIによる分析や解析には画像などを読み込んだり、多くの処理が出来るGPUの方が有利となっていきました。
GPUにおける技術で一歩も二歩も先を行っていたエヌビディアは独走状態となっており、GPU市場で80%近いシェアを誇っており、AI用のGPUに限定すると90%近いシェアとなり、AI生成サーバーに限定すると100%近いシェアとなるなど、驚異的な強さです。
生成AIなどを稼働させるために必要なクラウドサーバーなどをアマゾンやマイクロソフト、アルファベットなどのクラウド業界において世界を支配している企業達がこぞってエヌビディアのGPUを買い漁っているので、当面はエヌビディアの一強状態は続いていくと思います。
ただ、これがいつまでも続くとは限らないと思っていた方がいいかなとは感じます。
エヌビディアだけに頼っているとエヌビディアの言いなりになってしまいます。現在はその状態に近く、エヌビディアのGPUがどれだけ高くても、ハイテク各社はエヌビディアのGPUを買わざるを得ない状態です。ハイテク企業側からするとコスト的に不利です。
なので、アマゾンやマイクロソフトなどの各社は自社製のチップの開発に力を入れています。最先端のGPUには性能的に追いつかなくても、凡庸な処理でよいサーバーにおいては自社製のチップで対応できるようになっていけば、すべてをエヌビディアに頼らなくても済みます。そのため、急ピッチで各社は自社製の開発を進めています。
また、思ったよりもAIへの投資からリターンを上げる事が出来ていなければ、ハイテク企業自体がAI事業ヘの投資を控えていき、それがGPUの需要減少へと繋がっていく可能性もあります。ほとんどの企業は、まだAIから本格的な収益を上げる事が出来ておらず、今後もこういった環境が続いていくのであればAIブーム自体がしぼんでしまう事もあり得ます。
エヌビディアのGPUは、今後もますます高性能になっていくと思います。当面、エヌビディアのGPUにかなう製品や企業は現れないでしょう。しかしながら、すべてのクラウドサーバーに最先端のGPUが必要になるとは限らず、技術が向上していけば凡庸なGPUでも充分な性能があり、他社の開発したGPUやハイテク企業の自社製GPU(内製化GPU)で処理できるかもしれません。
そうなったときに、現在のような非常に高い粗利益率(70%以上)を保つことが出来ず、今のような高利益を確保できなくなる可能性もあります。
現在のエヌビディアは非常に高い期待値を背負っており、業績もかなり先まで織り込んでいて、その織り込んでいる業績自体も非常に高い成長性を期待されている事から、少しでも市場の期待に届かなければ、大きな値崩れを起こす危険性を孕んでいます。
現在のエヌビディアは非常に強い企業だと思います。当面は、エヌビディアの一強状態は崩れないと思います。しかしながら今のような高成長がいつまでも続くとは限らず、どこかで失速してしまう可能性も充分にあります。
今の勢いだけを見ていると、いつまでも成長し続けるような感じに思えてしまいますが、高成長が永遠と続く企業などはなく、エヌビディアが非常に強い企業だとしても、エヌビディアだけに投資資金を大きく傾けてしまうのはリスクが高くなってしまうので、エヌビディアに投資をするとしても集中投資などにはせずに、他の企業やインデックス投資などにも分散しながら、エヌビディアの高い成長性の恩恵を受けれるような感じにしていくのがいいのではないかなと思います。
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