先日、FOMCが開催されて政策金利は現状を維持する事が決定されましたね。FOMC後のパウエル議長の会見では3月の早期利下げについては否定的な発言をしており、3月の利下げ確率は15%となっており従来よりも大幅に利下げの可能性は下がっています。
3月の利下げはなさそうだね
利下げの時期は、5月か6月が最有力候補みたいですね
パウエル議長は、「インフレ率が2%に向かっていると確信を強めるまでは利下げは適切ではない」と述べ、早期の利下げを否定していましたが、「経済が概ね予想通りに展開した場合には、今年のある時点で政策抑制の縮小を開始するのが適切になる可能性が高い」と年内の利下げにも言及しており、基本的には利上げはもう終了しており、年内には利下げが開始される事が濃厚だと言えます。
さて、その肝心の経済状態ですが、去年まではハードランディングの可能性を懸念されていましたが、今年はソフトランディングになるという想定が多勢となっています。ところが、最近は景気後退自体が起こらない可能性が浮上してきました。
2月2日に発表された雇用統計は予想以上に力強く、米国経済の底堅さを強調していました。
失業率は、市場予想の3.8%を下回る3.7%となっており、平均時給は市場予想の0.3%増加を大きく上回る0.6%増加となっており、非農業部門雇用者数は市場予想の15万5000人をはるかに上回る31万7000人となっていました。
非農業部門雇用者数は、1年ぶりの大幅増加となっており、前月の速報値も21万人増加から33万人増加へと上方修正されるなど、非常に好調を維持しています。平均時給の伸びも加速しており、労働市場が予想を超えて勢いが加速している事を示唆していました。
1月のミシガン大学消費者信頼感指数も79ポイントとなって、市場予想を上回っており、消費者も経済の好調さを感じている結果となりました。消費者のセンチメントは前月比で2005年以来の大幅上昇となっており、インフレは落ち着いて価格上昇も穏やかになっていくと判断しているようです。
雇用統計の予想外の好調さと消費者マインドの改善、そして米国経済が依然として底堅い事を受けて、今後の経済状況はノーランディング(景気が着陸せずに成長を続ける)となり、景気後退自体が起こらないとする意見もチラホラと出てきました。
それほど、雇用統計の内容はアナリスト達にとっては、ある意味ショッキングな結果であり、市場では景気の先行きに楽観的な想定が持ち上がってきているようです。
ハードランディングからソフトランディングへ、そしてついにはノーランディングへと、アナリスト達の想定はコロコロと変っています。やはり経済は生き物であり、簡単に予想できるものではないですね。
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