投資をしている方々であれば、日々の経済ニュースなどに目を通す事が多いと思います。情報をみるニュースソースは色々あると思いますが、有名な所ではブルームバークや日経新聞、ロイターやウォールストリートジャーナルなどの経済情報サイトなどがあると思います。
毎日、経済ニュースはチェックしているよ
私もブルームバークなどは毎日見てます
そういった経済情報サイトなどをみていると、時々アナリストやエコノミストなどの経済予測や株式市場の見通し、経済イベントや政治イベントによる今後の影響などが語られている事があります。
専門家の意見や論調などをみていると、それが正しい事だと思えてくる時があるのですが、例えプロでも未来を正確に予想する事が出来ず、多くの人が「こうなる」と予測した未来も全く見当違いだった事があったりします。
今回は、そういった「あてにならなかった未来予想」についてです。
共和党の大統領候補
良くも悪くも強いリーダシップと独自の価値観でアメリカを動かしていったトランプ大統領。
その功績については賛否両論があり、何かと話題を振りまいていますよね。次の大統領選挙でも注目の的であり、大統領として最有力候補に挙げられるほど影響力の強い方ですよね。
そんなトランプ氏ですが、大統領選挙に出馬した2016年の時には全くのダークホースであり、大統領に選ばれるどころか共和党の大統領候補にさえ選ばれないだろうと予測されていました。
当初に共和党の大統領候補者になるだろうと言われた候補者の予測順位
1位 Jeb Bush(ジェブ・ブッシュ)
2位 Scott Walker(スコット・ウォーカー)
3位 Marco Rubio(マルコ・ルビオ)
4位 Donald Trump(ドナルド・トランプ)
5位 Ted Cruz(テッド・クルーズ)
このような予測順位となっており、当初はブッシュ元大統領の弟であるジェブ・ブッシュ氏が共和党の大統領候補として最有力候補でした。
トランプ氏は当選するとは思われていなかったのですが、大統領選挙共和党予備選が始めると独特の刺激的な発言や暴言・他の候補者を挑発する態度などによって連日メディアに大きく取り上げられ、今でいう炎上商法のような感じで人気を高めていきます。
このように劇場型選挙を繰り広げていき、支持者の強い支持を集めて共和党での立場を不動のものとしていくのでした。
結果として、当初予想されたのとは大きく異なり、大統領として不適格だと言われていたトランプ氏が共和党の大統領候補として選ばれたのです。
それでも受かるはずはない
共和党の大統領候補としてトランプ氏が選ばれた一方で、民主党の大統領候補はヒラリー・クリントン氏が選ばれました。
クリントン元大統領の妻で、政治世界でバリバリのキャリアと実績を積み上げてきた本命中の本命であるヒラリー氏と、自由奔放で個性の強いトランプ氏。
大統領選挙の予測は、ヒラリー氏が優勢という予測が圧倒的であり、ヒラリー氏が当選する確率は70%であり、トランプ氏の当選確率は30%に満たないというほどでした。
トランプ氏は、政治的な経歴がほとんどなく、事業家として成功を収めた人物であり、政治家としての経験は極めて限られていました。トランプ氏は、政治的な問題についての知識や見識を持っていないと見なされており、有権者の支持を得にくいという印象を与えていました。
また、選挙戦を戦う上で、自らのブランディングやプロモーションに非常に熱心でした。トランプ氏は自身のビジネスにおいて成功を収めた経験をいかして、メディアに露出することで自身を宣伝し、注目を集めました。このようなマーケティング手法は政治家にとっては異例であり、トランプ氏のキャンペーンは既存の政治慣習から逸脱していた事も、当選を遠ざけるだろうという予測を後押ししていました。
トランプ氏は大統領になれないし、そのような器ではないという予測や報道が多く、トランプ氏は劣勢だという想定が多勢でした。
民衆を味方につける
しかしながら、トランプ氏の独特の発言や自信に満ちた行動、そして従来の政治概念を覆す方法などは市民の共感や政治不信を持つ人々の支持を受け、予想外に人気は高まっていきます。
トランプ氏はアウトサイダー(社会常識の枠にはまらない独自の思想の持ち主)として選挙戦を戦った結果、既存の政治家や政治システムに失望していた有権者の心を掴み、変化を求めていたニーズを上手く掴みました。
共和党の候補者だったという事も有利に働いていきます。共和党は伝統的に保守的であり、トランプ氏は移民政策や外交政策、社会政策などで保守的な強いメッセージを送る事で共和党支持者から熱烈な支持を受けるようになります。
移民政策では、厳しい姿勢を取っており、国境を固めるための壁の建設や移民の取り締まりを訴えました。共和党はブルーカラーと呼ばれる労働階級からの支持者が多く、移民に厳しい姿勢をとる事は国内の雇用と安全性を高める方向性に繋がり、それに対して支持があつまりました。
また、外交政策ではアメリカの軍事的優位性を維持し、アメリカファーストを掲げて国際協調主義に反対する姿勢を示しました。共和党支持者は、アメリカの優位性を維持することや、海外にリソースを費やすことに反対する傾向があるため、トランプ氏の外交政策に共感を覚えました。
社会政策では、人種やジェンダーに関する問題については、極端な立場をとることはありませんでしたが、保守的な社会政策を支持しました。共和党支持者は、伝統的な家族や宗教的な価値観を重視し、トランプ氏の社会政策に賛同しました。
共和党からの強い支持をうけ、そして独特の個性やキャラクターから従来の政治を壊して何か新しい事をやってくれるのではないかという期待感が多くの人々の共感を誘う事になります。
まさかの勝利
予想に反して支持を集めていくトランプ氏。一方で、ヒラリー氏はメール問題などが発覚する事で劣勢に立たされていきます。
メール問題とは、ヒラリー氏が国務長官だった時に職務上の連絡等を自宅に設置したメールサーバーで、個人メールアドレスを使っていたというものです。
分かりやすく例えると、「サラリーマンが仕事上の連絡・情報を自宅のパソコンで個人メールでやり取りしていた」という感じですよね。
普通に考えて不適切な対応ですよね。個人のパソコンなんて、いつどんな時にウィルスに感染しているか分からないですからね。専用の端末または支給されたパソコンを使用するのがセオリーですよね。
ヒラリー氏は国務長官というアメリカでも重要な国家機密を取扱う立場にありながら、ルールを守らず、個人メールを公務に使っていました。政府要人として、誰よりもセキュリティー対策をしっかりとしないといけない状況で、そのルールを破っていたのです。
この問題については、当然トランプ氏からも「大統領にふさわしくない人物」として強く批判されていました。
また、ヒラリー氏は政治エリートであり、多くの人々からは「エスタブリッシュメント(既成勢力)」の代表と見なされていました。一方で、トランプ氏はポピュリズム(エリートと大衆の対決姿勢)を用いており、大衆に迎合して人気をあおる政治姿勢を強めていきます。
反エリート、反社会主義、反知性主義などを掲げてエリートではなく大衆の権利を主張し、白人労働者階級の雇用などを訴えていきました。
それでも、選挙戦直前まではヒラリー氏が若干ながら優勢であり、トランプ氏は敗北すると予測されていましたが、蓋を開ければトランプ氏が当選するという番狂わせを起こしていました。
株式市場の反応
トランプ氏が大統領になる事について、市場では株式市場がどのように動くと予測されていたのだろうか?
市場予測では、もしもトランプ氏が大統領に当選すると株価は大きく下がると予測されていました。
トランプ氏は、アメリカファーストの外交政策を取っており、国際協調主義に反対する姿勢する姿勢を示す事や貿易に関しても他国に対して強固な対応を取ると予測されており、またメキシコとの国境に壁を建設するなどの発言によって隣国との関係悪化も引き起こす可能性があるなどで、国際関係などに大きな影響を及ぼす事で株価に悪影響を与えるとされていました。
また、トランプ氏は前例のない政治的な立場を取り、民主党や共和党の伝統的な政治家とは異なる経験や信念を持っていたため、トランプ氏が当選することで政治的な不確実性を引き起こす可能性があり、株価が下落することが予想されていました。
トランプ氏が当選すると株式市場は大きく混乱するという事前予測だった為、実際にトランプ氏が大統領に当選した際には多くの投資家は戦々恐々としていました。
そして、迎えたトランプ氏当選後の株式市場は・・・
予想を大きく外す
結果として、大統領選挙はトランプ氏がヒラリー氏を下して、トランプ氏が第45代大統領として当選する事になります。
市場予想とは反してトランプ氏が大統領に当選したことで、株式市場は大きな混乱を迎えるとされたのですが、実際に株式市場はトランプ氏が当選してからは上昇をしており、多くの専門家達の予測はまたしても大きく外れる事になったのです。
トランプ氏は、減税や規制緩和、インフラ投資に国防支出の増加などの経済政策を掲げており、それらの施策が実施されれば企業業績が上向くことになるという期待が高まり、株価は上昇していきました。
またトランプ氏は強いリーダーシップを発揮するだろうとされており、力強い政治姿勢と大衆からの熱狂的な支持は安定した政権運営を実施できるのではと思われた事も影響したようです。
アナリストやエコノミストが予測した事前予測とは異なり、米国株市場はトランプ氏当選後には上昇しているという事になっていました。
分かっているようで誰も分かっていない
多くの専門家やアナリスト、そしてエコノミストの発言を見ていると、プロの意見だからそれが正しいのだと思ってしまう事があるかもしれません。
しかしながら、多くの人が「こうなるだろう」と予測した事でも、実際に蓋をあけてみれば全然違っていたなんて事は結構あるものです。
イギリスのEU(欧州連合)からの離脱なども、離脱の是非を問うた国民選挙ではEUからの離脱は否決されて残留が支持されるという予想が大半のですが、結局は離脱を望む意見が過半数を超えるという結果となり、イギリスはEUを離脱する事になります。
このように、多くの専門家や評論家が予測している事でも、実際には全くあたっておらず正反対の結果だったという事があります。
株価に関しても、多くの人が上昇するといっても下落していたり、逆に多くの人が暴落すると言っていても反転して上昇していく事も多々あります。
私達は、日々様々な情報に触れる機会がありますが、そのどれもが正確に未来を予測できる事はないという事は肝に銘じておきながら、投資に向き合う必要があると思いますよ。
さて、今回の内容は、YouTubeにもアップしています。動画でみると、ブログとは違う魅力などもあると思いますので、ぜひYouTubeの方も見てくださいね。
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