3か月と10年の逆イールドと景気後退、株価との関係

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逆イールドとは、長期国債と短期国債の利率が逆転することです。

通常であれば、期間が長いものほど金利が高くなります。銀行預金の金利で考えれば分かりやすいと思うのですが、2年定期の金利と10年定期の金利を比較すると、期間が長い10年金利の方が金利は高くなっています。一般的に長期金利の方が短期金利よりも高くなります。

ところが稀に短期金利が長期金利を上回る事があります。これを逆イールドと言います。

よく見られている指標では、2年国債と10年国債の金利差です。これが逆転して2年国債の金利の方が高くなると逆イールドとなり、その後に株価下落や経済が悪化する事が多いです。

投資家がよく見ているのは、2年国債と10年国債の金利差なのですが、FRB(米国連邦準備理事会)が注目しているのは、3か月国債と10年国債の方です。

そして、この3か月と10年の金利差が今は逆転しており、逆イールドとなっています。

3か月と10年の逆イールドに注目!

目次

過去の3か月と10年の逆イールド

FRB(米国連邦準備理事会)が注目している3か月国債と10年国債の金利。今は逆イールドとなっており、3か月国債と10年国債の金利は逆転しており、3か月国債の金利の方が高くなっています。

では、過去の逆イールドがどういう感じだったのだろうか?

1960年台後半からみると、過去に3か月と10年が逆イールドになったのは、8回あります。そして、その8回とも逆イールドになった後にはリセッション(景気後退)が引き起こされています。過去55年間でみてみると、確率100%という事になります。

逆イールド発生時期リセッション期間逆イールドからリセッションまで
1968年11月1970年1月~1970年11月1年2か月
1969年5月1973年12月~1975年3月7か月
1978年10月1980年2月~1980年7月1年4か月
1980年9月1981年8月~1982年11月11か月
1989年5月1990年8月~1991年3月1年3か月
2000年6月2001年4月~2001年11月10か月
2006年7月2007年12月~2009年6月1年4か月
2019年5月2020年2月~2020年4月9か月

3か月と10年の金利が逆転して逆イールドになってから、おおよそ1年ほどで景気後退が訪れる事になります。

今回は、2022年10月の後半に3か月と10年の金利が逆転しているので、そこから約1年だとすると2023年10月頃にはリセッションしているという事になります。

逆イールドと株価の関係

では、逆イールドになった後に株価がどうなっているのかを確認してみたいと思います。

通常は、景気が後退すると株価も下がります。株価は景気よりも先行すると言われているので景気後退よりも早く動いているのではないかと思えるので、そのあたりも確認してみたいと思います。

「1970年のリセッション」

逆イールドが発生してからしばらくすると株価も下がっていますね。リセッション期間も大きく下がっており、逆イールドが発生してから警戒すると良かったことになります。

「1974年のリセッション(第一次オイルショック)」

高インフレ時代ですね。逆イールドが発生後に株価が下っており、リセッションの時期も大きく下げています。逆イールドが発生してから警戒した良かったケースです。

「1980年のリセッション(第二次オイルショック)」

逆イールドが発生後に株価は下がっていますが、その後はジリジリと上がっていく展開となっています。リセッションを引き起こすとやはり株価はさがっていますがリセッション中に株価はすでに反発しています。リセッション中の最安値の株価は逆イールド発生時の株価を下回っていますが、逆イールドが発生したからといって警戒する必要がなかった状態です。

「1981年のリセッション」

逆イールド発生直後は株価が下っていますが、その後は上昇しています。ただボックス圏での動きのままリセッションに突入しています。リセッションでは当然ながら株価は下落しています。逆イールドが発生して警戒して良かったケースとなります。

「1990年のリセッション(湾岸戦争)」

逆イールドが発生してから株価が上昇しています。その後、リセッションに突入するのですが、リセッションではやはり株価は下がっています。逆イールド発生時とリセッションの最安値を比較すると、逆イールド発生時点よりもリセッション期間中の方が安値になっていますが、それほど大きく下がっている訳ではないので、警戒する必要はなかったケースです。

「2000年のリセッション(ITバブル)」

逆イールド発生後から株価は下がり始めており、リセッション期間中にも大きく下落しています。リセッションが終わっても株価は更に下がり続けており、大きく暴落していますね。逆イールドが発生してから警戒して正解だったケースです。

「2008年のリセッション(リーマンショック)」

逆イールドが発生してから株価はさらに上昇しています。リセッション開始まで株価は15%も上がっています。しかし、リセッションに突入すると大暴落しており、株価は奈落の底にまで落ち込みます。逆イールド発生時に警戒するのが結果としては正解ですが、逆イールド発生後に大きく上昇しているのでこの時の判断は難しかったと思います。上昇しているからといって安心していると、あとで大暴落に巻き込まれるという強烈に難しいパータンだったのではないでしょうか。

「2020年のリセッション(コロナショック)」

逆イールド発生直後は下げていますが、その後は上昇しています。リセッション突入時までに15%も上昇していました。リセッション時は大きく暴落しており、急反発しています。逆イールド発生後に警戒して正解ですが、この時もリセッションまでは大きく上昇しているので非常に難しいタイミングだったと思います。

まとめ

逆イールド発生後は、約1年程度も経過するとリセッションに突入しています。なので、今回も3か月国債と10年国債の金利が逆転して逆イールドが発生している事から来年の2023年にはリセッションに突入する事になると思います。

問題は、逆イールド発生後にリセッションが訪れるまでに株価が上昇する事があるという事です。8回あったリセッションの内で5回はリセッションまでに株価が上昇しています。なので、逆イールドが発生して警戒しても株価が上昇している事で「リセッションは起こらないんじゃないか」と思ってしまいそうですよね。

ただし、全てのケースで逆イールド発生時の株価よりもリセッション時の最安値の方が株価は低くなっています。リセッションになれば逆イールドが発生した時点よりも株価が下る場面がやってくるという事です。

なので、3か月と10年の逆イールドが発生した時点で警戒していた方がいいと思います。

  

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