私達の世代では絶対王者として半導体市場に君臨していたインテル。「インテル入っている」というキャッチコピーのCMで有名で、半導体といえばインテル1強だった時代があったのだけど、AI時代に遅れて対応が後手後手となり、あっという間に王者から転落していったインテル。
高性能半導体といえばインテルだったよね
ハイエンドモデルと言えばインテルだよね
過去の王者だったインテルも現在では苦境に立たされており、巻き返しも厳しい状況となっているみたいなんだ。そんなインテルが買収される可能性が出てきたようだよ。
インテルに対して、同じ半導体メーカーのクアルコムが買収を提案していたみたいだよ。実際に買収が成立するならば、半導体市場において歴史的な規模の買収額となる想定になっているようだね。
インテルは半導体のCPUに過信し過ぎてしまって、その存在地位を半導体のGPU(エヌビディア)に譲ってしまう結果となっているんだな。エヌビディアが時価総額2位にまで浮上しているのとは対照的に、インテルは技術的優位性を失うのに伴って販売不振と損失の拡大が続いていき、時価総額もドンドンと低下していったんだよ。
かつてインテルは、2000年の頃には世界の時価総額ランキングでも10位ぐらいに位置するほどの世界的な巨大企業だったのだけど、今では時価総額も見る影もないぐらい落ち込んでいるんだ。そんなインテルをクアルコムが買収しようとしているみたいだね。
インテルとクアルコムの業績と時価総額
項目 | インテル | クアルコム |
---|---|---|
売上 | 128億ドル | 94億ドル |
営業利益 | -10億ドル | 23億ドル |
純利益 | -16億ドル | 21億ドル |
時価総額 | 903億ドル | 1937億ドル |
インテルは利益が全然取れていなくて、最近の決算では赤字になっているんだな。そのため、クアルコムとの差も大きく開いていて、時価総額ではインテルはクアルコムの半分ぐらいしかないぐらい凋落しているんだな。
クアルコムはスマートフォン用プロセッサー販売で世界最大手だけど、最近では更に幅広い分野への進出を志していて、パソコン向けのチップについては今でも優位性があるインテルを買収してパソコン市場におけるインテルというブランド力を取得したい意向のようだね。
また、クアルコムは半導体を自社で生産は行っていなくて、台湾積体電路製造(TSMC)のようなパートナー企業に製造を委託しているんだ。インテルを買収すれば、パソコン市場で最大のブランドを傘下に収めるだけでなく、米国内での自社生産にも道が開けることになるんだ。
実際に、インテルとクアルコムの買収がどのような決着に落ち着くのかは今の時点では分からないけれども、あの王者インテルが買収される時代がくるなんて、昔から知っている身からすると少しの驚きと共に、強者の入れ替わりに時代の流れを感じるな~と思うよね。
コメント
コメント一覧 (2件)
よしぞうさんこんにちは!
「インテル入ってる」というCMを見ていた世代からすると、買収の話は衝撃でした…。
半導体の性能向上の速さや、イノベーションのジレンマについて色々考えさせられます。
エヌビディアも現在の地位をいつまで維持できるかよく考える必要があると思いました。
あと2~3年は大丈夫かなとは予想していますが。。。
こんにちは、尾形さん。
私も「インテル入っている」の世代なので、今のインテルの低迷ぶりには驚きです。
技術が進歩していく事は素晴らしくて、有難い事なのですが、その陰で失速していく企業もある事をまさに体感していますよね。
エヌビディアも、暫くは大丈夫だとは思うのですが、その勢いや優位性も永遠に続くものではないので、やはり注意が必要ですよね。