FOMCが開催されて、FRB議長のパウエル氏が会見を行っていたね。今後の米国経済や米国の政策金利、株価などに大きな影響を与えるFOMCがどのような判断を下すのかに注目が集まっていたね。
今回も利下げは行われて今年は3回の利下げとなったね
今後は利下げスピードが弱くなるみたいだね
今回のFOMCにおいて、政策金利を 0.25%引き下げて 4.50%~ 4.25%となったね。これで 3回連続の金利引き下げとなったのだけど、来年は引き下げのペースを落とす感じになっていくようだね。
市場の想定では来年度(2025年)には合計で 3回の利下げが行われるという想定だったのだけど、今回のFOMCにおいては来年度は 2回の利下げになるという想定になっていたね。市場の想定よりもタカ派(利下げが少ない)という結果を受けて、株式市場は大きく下落をする展開となっていたよね。
FRB委員(合計 19人)が判断した 2025年度の政策金利適正水準
政策金利 | 2025年 |
---|---|
4.50%~4.25% | 1人(現状維持) |
4.25%~4.00% | 3人(0.25%引き下げ) |
4.00%~3.75% | 10人(0.50%引き下げ) |
3.75%~3.50% | 3人(0.75%引き下げ) |
3.50%~3.25% | 1人(1.00%引き下げ) |
3.25%~3.00% | 1人(1.25%引き下げ) |
各委員によって政策金利の適正値には幅があるけれども、多くの委員は来年度(2025年)の金利水準は現状よりも0.50%程度の利下げを支持しており、市場の想定(来年度は0.75%の利下げ)よりもタカ派姿勢を鮮明にしたことで金融市場は動揺して、株安・金利上昇・ドル高・円安が進行していたね。
FRBは今回の会合で 0.25%の追加利下げを決めたのだけど、FRB委員らの政策金利見通しでは 4人が今回(2024年12月)は据え置きが適切とみていたみたいだね。実際に最終採決でもクリーブランド連銀のハマック総裁が据え置きを主張し、反対票を投じていたようだね。パウエル議長も、「ぎりぎりの選択だった」と述べていたように意見は割れていたようだね。
株式市場に大きな衝撃を与えたのは、来年度の金利の引き下げ水準を従来の3回の想定から2回に引き下げたというのもあるのだけど、一番大きかったのは来年度のコアPCEインフレ率を前回は 2.2%上昇に想定していたのが 2.5%上昇に大幅に引き上げられたという点だよね。
トランプ氏が実施するとされている関税引き上げが物価高を引き起こしてインフレ率に大きく影響するという事をFRBの判断にも想定され始めているようだね。これ(インフレ率の上昇)により、利下げを慎重にせざるを得ない状況となってしまったみたいだね。
FRBが想定する来年以降の経済指標
項目 | 2025年 | 2026年 | 2027年 |
---|---|---|---|
GDP成長率 (前回の予測値) | 2.1% (2.0%) | 2.0% (2.0%) | 1.9% (2.0) |
失業率 (前回の予測値) | 4.3% (4.4%) | 4.3% (4.3%) | 4.3% (4.2%) |
PCEインフレ率 (前回の予測値) | 2.5% (2.1%) | 2.1% (2.0%) | 2.0% (2.0%) |
コアPCEインフレ率 (前回の予測値) | 2.5% (2.2%) | 2.2% (2.0%) | 2.0% (2.0%) |
政策金利 (前回の予測値) | 3.9% (3.4%) | 3.4% (2.9%) | 3.1% (2.9%) |
株式市場にとっては政策金利は低い方が良いのだけど、インフレ率が従来の想定よりも下がらないとなれば、金利の引き下げスピードも落ちていき、インフレの状況によっては再利上げの可能性が懸念されているよね。そうなると、株式市場にはマイナスの影響を与えてしまうので、今回のFRBのインフレ率の想定は少し楽観的だった株式市場に冷や水を浴びせた感じになったね。
一応、パウエル議長は来年度の再利上げについては「何も選択肢から外すことはしないが、可能性は低いとみられる」と現状では来年の利上げはないだろうという認識でいるみたいだね。
今後の状況はトランプ氏次第という感じになっているみたいだけど、あまり極端な事(中国や他国に厳しい関税を掛けるとか)にならずに、現状の経済状況を維持しつつ、適度に利下げが行われるゴルディロックス相場になっていけばいいな~と思うかな。
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