ハロウィン効果は、本当に効果があるのか？

投資の世界で有名なアノマリーにハロウィン効果というものがあります。皆さんもご存知の方が多いのではないでしょうか？ハロウィンがある10月末に株を購入して、半年後の4月末（または5月中）に売却すれば良いリターンを得られる確率が高いというものです。

ハロウィン効果の中でも一番効果があると言われているのが、大統領就任2年目のハロウィン～大統領就任3年目（大統領選挙前年）の4月末だと言われています。今年がこれに該当しており、2022年10月～2023年4月末は大統領就任2年目～大統領就任3年目となっていました。

さて、では今回も含めて、ハロウィン効果は本当に効果があるのかを確認してみましょう。

今回のハロウィン効果

今回のハロウィン効果の時期である2022年10月末～2023年4月末は、ハロウィン効果の中でも期待値の高い大統領就任2年目～大統領就任3年目に該当しています。大統領選挙の前年（大統領就任3年目）は、翌年の大統領選挙に向けて様々な経済対策を打つ事が多く、株価が上昇しやすい時期となっています。

では、今回のハロウィン効果は実際にどうだったのか？

S&P500の2022年～2023年ハロウィン効果
2022年10月末　3871.98
2023年04月末　4169.48
上昇率　7.6％

ちゃんとしっかりと上昇していますね。流石ハロウィン効果ですね。

今回のハロウィン効果は、大統領就任2年目～大統領就任3年目となっており、ハロウィン効果の中でも期待値の高い時期だったのですが、では他のハロウィン効果はどうだったのでしょうか？

今回以外のハロウィン効果についても確認していきたいと思います。

過去のハロウィン効果はどうだったのか？

では、過去のハロウィン効果はどうだったのでしょうか？

S&P500を対象に、過去10年間のハロウィン効果を確認してみましょう。

年度	前年10月末	当年4月末	騰落率
2023年度	3871.98	4169.48	+7.6％
2022年度	4605.38	4131.93	-10.2％
2021年度	3269.96	4181.17	+27.8％
2020年度	3046.77	2912.43	-4.4％
2019年度	2682.63	2945.83	+9.8％
2018年度	2575.26	2648.05	+2.8％
2017年度	2126.15	2384.20	+12.1％
2016年度	2079.36	2065.30	-0.6％
2015年度	2018.05	2085.51	+3.3％
2014年度	1756.54	1883.95	+7.2％

10年間だと、プラスリターンの時が7回で、マイナスリターンの時が3回という結果だったので、勝率70％という事になります。

10年間だとちょっと少ないかなと思ったので、20年間の分も調べてみました。表に書くと疲れるし見にくいので、グラフにまとめてみました。この方が見やすいと思います。

S&P500のハロウィン効果の検証（過去20年間分）

20年間のハロウィン効果の検証してみると、プラスリターンの時が15回、マイナスリターンの時が5回となっており、勝率は75％となっています。なかなか高い勝率ではないでしょうか。

ちなみに、ハロウィン効果の20年間平均リターンは、5.7％となっています。

S&P500の平均リターンはどのくらい？

S&P500のハロウィン効果を検証してみると、過去20年間で15勝5敗となっており、勝率は75％で平均リターンは5.7％となりました。

では、肝心のS&P500の年間平均リターンはどのくらいなのだろうか？

S&P500の年間平均リターン（S&P500は1957年に設定開始）

過去10年間　+14.7％　
過去20年間　+8.0％
過去30年間　+9.8％
過去50年間　+9.9％
過去65年間　+10.7％

まとめ

ハロウィン効果を検証してみました。

確かにハロウィン効果はプラスリターンになる確率も75％ほどあり、高い確率で勝つ事が出来る投資方法であり、アノマリー自体に間違いはなかったです。

しかしながら、ハロウィン効果の平均リターンは5.7％程度となっており、S&P500の年間平均リターンが8％～10％程度である事を考えると、わざわざハロウィン効果を期待して10月末に購入して4月末に売却するなんて事をしなくても、S&P500に投資をしておくだけで充分だと思います。

素直に、S&P500に投資して放置が一番良いみたいですね。

　　　

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