現金（ドル）は宝箱だったね

今年は米国が利上げをすると予測されていたので、年始の時点での私の想定では為替レートは円安に振れると思っていました。しかし、現在のような急激な利上げをするとは思っておらず、円安になると思っていたけれども、ここまで激しく円安が進むとは思っていませんでした。

円安が思った以上に進んだのは、米国の政策金利が急上昇しているからです。

年始の時点では、多くの人が政策金利や円安がここまで進むとは想定していなかったのではないでしょうか。

やはり先を読むのは難しいですね。・・・というよりも先読みなんて無理ですよね(笑)

円安は何処まで進む？

まあ、それが分かれば誰も苦労なんてしないのですが、政策金利が上がれば（長期金利が上昇すれば）円安に振れていきます。

今現在の米国の政策金利は3.25％です。次回のFMOC（11月3日）で0.75％の引き上げが確実視されているので、11月には4.0％になります。この後も、金利の引き上げは続いていくと想定されており、年末には4.5％ぐらいになっており、来年には5.25％になっていると想定されています。

今よりも1％以上は金利が上がっていく事から、為替レートももう少しは上昇するのではないかなと思っています。

まあ、為替レートは金利だけでなく様々な要因が複雑に絡み合って値動きを形成していくので、そもそもこんな単純に予測なんて出来ないのですが、まあざっくりと今後ももう少しぐらいは円安に進むのではないかなという程度には心づもりをしておこうと思っています。

今年の年始（1月4日）の時点の為替レートが「1ドル115.34円」だったのが、今では「1ドル147.66ドル」と28％も上昇しているので、投資などせずにドルで保有しているだけで爆益確定というイージーな状態だったんですよね。

一時期、現金はゴミだというセリフが流行っていましたが今から考えると、現金（ドル）は宝箱でしたね(笑)

政策金利の動きを確認しておこう

今年は、政策金利が非常に大きく引き上げられました。そして、今年一杯は大幅利上げが続きます。大きく引き上げられた金利は来年も引き続きキープした状態で移行すると想定されています。

来年の３月ぐらいまでは金利を引き上げ続けて、その後は何処かのタイミングでもう１回ほど金利を引き上げて、合計で5.25％ぐらいの金利になるというのが現時点での市場予測となります。

政策金利のこれまでの動きと今後の予測をみてみましょう（11月以降は市場予測値です）

日付	引き上げ幅	政策金利
03月17日	0.25％	0.50％
05月05日	0.50％	1.00％
06月16日	0.75％	1.75％
07月28日	0.75％	2.50％
09月22日	0.75％	3.25％
11月03日	0.75％	4.00％
12月15日	0.5％	4.50％
02月02日	0.25％	4.75％
03月16日	0.25％	5.00％
05月04日	変更なし	5.00％
06月15日	変更なし	5.00％
07月27日	変更なし	5.00％
09月21日	変更なし	5.00％
11月02日	0.25％	5.25％
12月14日	変更なし	5.25％

次回のFMOCである11月では0.75％引き上げがほぼ確定路線になっていますが、その次の今年の12月における政策金利の引き上げ幅は、意見が真っ二つに分かれており、0.5％の引き上げと0.75％の引き上げが半分ずつぐらいの割合になっています。

0.50％引き上げ確率　　51.8％
0.75％引き上げ確率　　45.6％
1.00％引き上げ確率　　 2.6％

なので今年の年末時点での政策金利は、4.50％か4.75％のどちらかになっているはずです。ほんの少しだけ1.0％の引き上げという可能性があり、その場合は5.0％になっているのですが、ここまで引き上げる状態になればかなりヤバいですよね。

暫くはドルが強いけど過信はいけない

今後もまだ政策金利は引きあがっていく想定になっており、最低でも今年一杯は強いドルが続くことが濃厚だと思います。

とはいえ、どこかのタイミングでドルが崩れていく事も当然ながらあり得ると思います。その時には今まで円安だったからダメージが軽減されていた株安のダメージが直接反映されていく事になります。

来年の何処かのタイミングでドルが弱くなる局面が来た時に、慌てないように今から心積もりをしながら、現在の為替レートの恩恵をうけた状態は仮の姿だという事を忘れずにいたいと思います。

今年の年初の為替レートの水準に戻るだけでも20％ぐらい下落したような状態になるので、円安が止まって円高に振れた時に株安も継続していると阿鼻叫喚となりそうですよね。

せめて、ドル高が終わるころには株価が持ち直してもらいたいですよね。