先日、AIクラウドを手掛けているコアウィーブ(CRWV)が新規上場しており、その際に私はコアウィーブに投資をしました。クラウドと言えばアマゾンやマイクロソフトが有名なのですが、アマゾンやマイクロソフトが手掛けているクラウド(大手クラウドプロバイダー)とコアウィーブのAIクラウドは何が違うのだろうか?

クラウド企業というと、アマゾン・マイクロソフト・グーグルだよね



AIクラウドと大手クラウドプロバイダーの違いを見ていきましょうか
コアウィーブ(CRWV)は、人工知能向けクラウドコンピューティングサービス(AIクラウド)を提供する企業として、近年急速に注目を集めています。一方で、クラウド企業というとアマゾン(AWS)やマイクロソフト(Azure)、グーグル(Google Cloud)などのテック大手企業が有名で、私もアマゾンやマイクロソフトに投資をしています。
コアウィーブもアマゾンやマイクロソフトなどの大手テック企業も同じクラウド企業なのですが、少し異なる部分もあり、それぞれの違いをまずは簡単に比較してみましょう。
項目 | コアウィーブ(AIクラウド) | 大手クラウドプロバイダー |
---|---|---|
特化性 | AI/HPCに特化 | 汎用クラウド、AIは一部 |
ハードウェア | エヌビディア製が中心 | エヌビディア製+自社チップ |
ターゲット顧客 | AI企業、ハイパースケーラー | 全産業 |
コスト効率 | AI関連で効率が良い | 多用途でコストが変動 |
スケーラビリティ | GPUリソースに特化して迅速 | 広範囲な用途に対応 |
エコシステム | シンプル、AI最適化 | 包括的、多機能 |
サポート体制 | 個別ニーズに柔軟に対応 | 個別対応が難しい場合がある |
(1)特化性
コアウィーブは「AI特化型クラウドプロバイダー」として位置づけられており、特にGPUを活用した高性能コンピューティング(HPC)に焦点を当てています。AIや機械学習(ML)、生成AIのワークロードを効率的に処理することを最優先に設計されています。汎用的なクラウドサービスではなく、ニッチなニーズに応える形でサービスを展開しています。
一方で、アマゾンやマイクロソフトなどの大手クラウドプロバイダーは、「汎用クラウド」を提供しており、ウェブホスティング、データベース管理、アプリケーション開発、企業向けソリューションなど、幅広い用途に対応します。AIやGPUを利用したサービス( AWSのSageMaker、Azure Machine Learning、GoogleのTPU)も提供していますが、それは全体の一部に過ぎず、特定の分野に特化しているわけではないです。
(2)ハードウェア
コアウィーブの最大の強みは、エヌビディア製の最新GPUを大規模に採用し、AIトレーニングや推論に最適化されたインフラを提供することです。エヌビディアとの緊密なパートナーシップにより、GPUの供給を優先的に確保し、顧客に即座にスケーラブルなリソースを提供できます。また、GPUを中心としたデータセンター設計により、処理の待ち時間をできるだけ短くしつつ、たくさんの処理を短時間でこなせるようにしています。
大手クラウドプロバイダーもGPUを提供していますが、それぞれの特徴が異なります。アマゾンはエヌビディア製のGPUに加え自社開発のInferentiaチップを使用しており、グーグルは独自のTPU(Tensor Processing Unit)を展開し、マイクロソフトはエヌビディア製のGPUとFPGAを組み合わせています。これらのGPUリソースは需要が高く、人気があるため使用したい人が多くて使える数が限られてしまう事があります。大手クラウドプロバイダーはGPU以外のCPUベースのサービスにもリソースを分散させているため、GPU特化の最適化ではコアウィーブの方が有利となっています。
(3)ターゲット市場
コアウィーブは、主にAI企業、研究機関、生成AI開発者(OpenAI や xAIなど)、クリエイティブ産業(映像処理やゲーム開発)をターゲットにしています。特に、大規模なAIモデルをトレーニングするハイパースケーラー(アマゾンやマイクロソフトなどの大規模なクラウドコンピューティングサービスを提供している企業)や、リアルタイム処理が必要な顧客に焦点を当てています。
大手クラウドプロバイダーは、あらゆる業界を対象とし、中小企業から大企業、政府機関まで幅広い顧客層に対応します。AIやML(機械学習)も重要な分野ですが、それ以外にEコマース(アマゾン)、オフィス生産性ツール(マイクロソフト)、広告や検索(グーグル)といった自社エコシステムとの統合が重視されています。
(4)コストとスケーラビリティ
コアウィーブは、GPUリソースに特化しているため、AI関連のタスクではコスト効率が高いとされています。大手プロバイダーに比べて、オンデマンドでGPUインスタンスを迅速にスケールアップできる柔軟性(必要な時にすぐにGPUを増やせる柔軟性)が強みです。ただし、汎用的な用途(ウェブサーバーのホスティングなど)には向いておらず、価格体系もAIワークロードに最適化されています。
大手クラウドプロバイダーは、多様なサービスを提供するため、価格体系が複雑で、GPUインスタンスは高額になる傾向があります。また、ピーク時のGPU需要が高まると、リソースの割り当てに時間がかかったり、利用制限がかかったりする場合があります。一方で、グローバルなデータセンター網を持ち、スケーラビリティは広範な用途で優れています。
(5)エコシステムと統合性
コアウィーブのエコシステムは比較的シンプルで、AIフレームワーク(TensorFlow、PyTorchなど)やコンテナ技術(Kubernetes)に最適化されています。企業の業務改善を目的としたソフトウェアサービスであるエンタープライズ・リソース・プランニング(CRM)や顧客関係管理(ERP)などとの統合は重視されておらず、独立したAIインフラとしての利用が主目的です。
大手クラウドプロバイダーは、クラウドストレージ、データベース、サーバーレスコンピューティング、セキュリティサービスなど、広範なツールと統合されています。AI以外のニーズ(例えば MicrosoftのOffice 365やGoogle Workspaceとの連携)にも対応でき、エンタープライズ向けの包括的なソリューションを提供します。
(6)サポート体制
コアウィーブは、24時間365日の専門サポートを提供し、特にAI開発者向けにカスタマイズされた技術支援が強みです。ユーザーベースが小規模で特化しているため、個別のニーズに柔軟に対応しやすいです。
大手クラウドプロバイダーは、サポートは充実していますが、ユーザー数が膨大で多様なため、個別対応が難しい場合があります。セルフサービス型のドキュメントやコミュニティに依存する部分が多く、AI特化のサポートは追加料金が必要な場合もあります。
コアウィーブと大手クラウドプロバイダーの違いを簡単にまとめると・・・
コアウィーブは、AIや生成AIの爆発的な需要に応える形で、GPU特化型のクラウドとして差別化を図っています。一方で、大手クラウドプロバイダー(AWS、Azure、Google Cloud)は、広範な用途に対応する汎用性とグローバルな規模感が強みです。AIに特化したプロジェクトであればコアウィーブが優位性を持ちますが、多様なITニーズに対応する場合は大手プロバイダーが適しているようです。
コアウィーブにはエヌビディアが出資しており、エヌビディアはコアウィーブ株式の6%を保有しています。また、新規上場の際にも 2億5000万ドルの資金を投下して追加投資を行ったようであり、エヌビディアはコアウィーブに対して影響力のある規模のお金を出している(かなり大きな金額を投資している)ぐらい強い関係を築いています。
なので、コアウィーブはエヌビディア製の最新GPUを大手クラウドプロバイダーよりも最優先で入手する事が出来る立場となっていて、エヌビディア製の最新GPUを多く使いたいAI企業には必須の企業となっています。
生成AIで最先端を走っているオープンAIが最近新たにコアウィーブと 5年間で 119億ドルの契約を結んだのも、コアウィーブが最新のGPUをいち早く入手できる貴重な企業だというポジションだからのようです。
AI関連企業向けに特化しているコアウィーブと、あらゆる企業(一般的な企業)がクラウドを使いやすいように提供している大手クラウドプロバイダー。どちらも、今後において AIが発展していくのであれば必要な企業になる事は間違いないのですが、それぞれ得意分野において棲み分けがされていく感じになるのではないかなと思います。
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