ポートフォリオの中でもお荷物になっている米国長期国債ETF。私が今保有している米国長期国債ETFは東証に上場している2621(iシェアーズ 米国債20年超:為替ヘッジあり)です。FRBが景気減速に向けて利下げモードに入ると思ったから購入したものの、トランプ政権が誕生して関税施策を実施した事でインフレ懸念が高まり、TLTやEDV、TMFなどの米国長期国債ETFは軒並み下落しています。

米国長期国債ETFは、厳しい状況を抜け出せていないよね



どうしようもなくて、めっちゃ困っています
今後、利下げが行われる可能性が高いとはいえ、それは短期的なお話であって、関税施策によってインフレが進んで行くようであれば利下げは停止されるし、状況によっては再利上げなんて事もあり得る話なので、長期金利が多少下がったとしても米国長期国債ETFはあまり上昇しないという想定が多いみたいです。
さて、米国長期国債ETF(2621やTLT、EDV、TMFなど)はもう上昇する可能性はないのだろうか?
基本的に、米国長期国債ETFは長期金利(米国10年国債金利)が低下していかないと上昇しません。では、長期金利が低下する要因はあるのだろうか。
新たに長期金利が低下する可能性がある要因となるかもしれないのが、FRBが提案している「補完的レバレッジ比率(SLR)」の緩和案です。これは、現在FRB理事会で5対2の賛成で可決されていますが、正式な規則への移行には「パブリックコメント(60日間)」が必要であり、まだ最終決定には至っていませんが、通常であれば数か月以内に最終ルールが公表されて、実施時期が設定されるので早ければ今年度末には実施される可能性があります。
では、「補完的レバレッジ比率(SLR)」の緩和案とはどんなものなのかというと、簡単に説明すると金融機関の資本比率のハードルを下げるものであり、これにより金融機関に余剰資金が生まれ、それだけ投融資を増やすことができる事になります。そして、その余剰資金は比較的安全性の高い米国債に多く回る可能性が高く、米国債が購入される事で長期金利が下がっていく事になります。
相場は先回りして動くという事を考えると、60日間のパブリックコメント期間が経過して「補完的レバレッジ比率(SLR)」の緩和案の実施の可能性が高くなれば、その影響によって長期金利が下がる事を想定して米国長期国債ETFも上昇を始めるという感じになるのではないかな。
丁度、その頃には利下げが行われている可能性が高いという事も相場を後押ししそうな気がします。雇用状況を考慮すると、9月に利下げされる可能性は高く、10月か12月のFOMCにおいても9月に続いて再度利下げされる可能性は高いと考えられている事から、利下げによって長期金利が下がっている状態で、「補完的レバレッジ比率(SLR)」の緩和案の実施の可能性が高くなれば、米国長期国債ETFにとっては追い風となっているんじゃないかな。
あとは、ステーブルコインの普及を目指す「ジーニアス法」が成立した事によって国債への需要が増えていきます。ステーブルコインは、1対1の割合でドルか米国債との裏付け(担保)が必要となるので、ステーブルコインの流通によって米国債への需要が増えていきます。ただ、この際に買われる国債は短期国債となるので長期国債に与える影響は軽微となりますが、何もないよりはマシな感じで今よりは長期国債への需要はほんの少しだけ高まる感じ(軽微な需要増加だけどね)だと思います。
まあ、今はどん底で何もいい事が無い感じの米国長期国債ETFですが、もう少し経てば風向きが少し変わってくるかもしれませんね。
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