圧倒的なパフォーマンスを叩き出しているウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ。S&P500の平均的な年間リターンが 10.2%程度なのに対して、バークシャー・ハサウェイの平均的な年間リターンは 19.8%となっており、S&P500のパフォーマンスを圧倒しています。

じゃぁ、バークシャー・ハサウェイに集中投資すればいいよね



でも、そんなに単純なものではないと思うよ
ウォーレン・バフェット氏の投資の教えで、基本的なものは「優良な企業(ブランド力がある・ワイドモートがある)に長期投資をする事」という感じなので、これだけ聞くと凄く安定した投資のように感じるかもしれませんが、実際のバークシャー・ハサウェイはアクティブファンドのようなアグレッシブな感じです。
そりゃ、平均的なリターンを上げるS&P500を圧倒するようなパフォーマンスを上げているのだから、インデックスファンドのような安定した感じではなく、アクティブファンドのような攻撃的な運用でないとS&P500のリターンを上回る事は出来ないですよね。
バフェット氏が好きな企業は、コカ・コーラやアメリカンエキスプレスなどの世界的に有名企業やアップルなどの世界一流の企業なので安定した投資先なのですが、それらの企業にガンガンと資金を振り分ける集中投資のスタイルです。
最近でこそ、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの一位の座を占めているアップルの比率は下がっていますが、少し前まではポートフォリオの半分ぐらいをアップルだけで占めているような超集中投資を実践していたようなアグレッシブな運用を行っていました。
2023年末時点のバークシャー・ハサウェイのポートフォリオ
1位 アップル(50%)
2位 アメリカン・エキスプレス(8.1%)
3位 コカ・コーラ(6.8%)
4位 シェブロン(5.4%)
5位 オキシデンタル・ペトロリアム(4.2%)
たった1社でポートフォリオの50%を占めていて、それ以外の企業は一桁台程度しかないポートフォリオでした。アップルがこけたら終わりのような超攻撃的な運用ですよね。通常は、怖くてこんな極端なポートフォリオを組む事なんて出来ないですよね。
2024年になると、アップルの比率を大きく落としていきますが、それでもアップルの比率は高い状態が続いています。
2024年末時点のバークシャー・ハサウェイのポートフォリオ
1位 アップル(28%)
2位 アメリカン・エキスプレス(14.4%)
3位 コカ・コーラ(10.2%)
4位 BYD(5.5%)
5位 オキシデンタル・ペトロリアム(5.3%)
アップルの比率が下がってきているので少しマイルドな運用のように思えてしまうけど、ポートフォリオの4分の1をアップルが占めていて、ポートフォリオの上位 5社だけでポートフォリオの 60%以上を占めているという攻撃的な運用は続いている状態ですよね。
バークシャー・ハサウェイは、バリバリの超攻撃的なアクティブファンドなんですよね。
S&P500よりも良いパフォーマンスを出していますが、今後も今までと同様のパフォーマンスを叩き出せるかどうかは未知数であり、アクティブファンドゆえにマイナスリターンに陥った際にはS&P500よりも大きく劣化する可能性もあります。
今まではバフェット氏が中心となって運用指示を出していたので、市場が過熱すると保有株を売却してキャッシュを増やすなどの対応を行ってきましたが、新しい体制での運用においてバフェット氏のように素晴らしいパフォーマンスをあげれるかは分かりません。
今までが素晴らしい運用だった事から、当然ながら新体制においては旧体制との比較をされやすく、過去のパフォーマンスを意識しすぎるとリターンを高める(今までのような高リターンを守る)ために攻撃的になり過ぎたり、キャッシュを高めるべき時でも失敗を恐れて売却を躊躇ったりすることがあるかもしれません。
なので、今までパフォーマンスが良かったからといってバークシャー・ハサウェイに集中投資をすると、アクティブファンドゆえに振り回されてしまうかもしれませんよ。
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