低コスト(低い信託報酬)で投資信託を提供してくれている三菱UFJアセットマネジメントのeMAXIS Slimシリーズ。そんなeMAXIS Slimシリーズに新しく9月15日から「eMAXIS Slim全米株式」が販売されました。
米国市場のインデックスファンドとしては、すでに「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」があるのですが、どっちを選べばいいのだろうか?
同じ米国市場だから、どっちがいいのか分からないよね
ほとんど同じだけど、どう違うのか見ていきましょうか
投資信託ランキング(買付金額)でも、上位5つのうちで第1位と第3位にランクインしているeMAXIS Slimシリーズ。圧倒的人気を誇るeMAXIS Slimシリーズに新しく加わったeMAXIS Slim全米はどうなのか?
今回は、新しく設定された「eMAXIS Slim全米」と従来からある「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を比べてみましょう。
eMAXIS Slimシリーズとは
三菱UFJアセットマネジメントが運用しているeMAXIS Slimシリーズ。他社に先駆けて低コスト化を進めて、信託報酬(投資信託の場合、毎年支払う必要がある手数料みたいなもの)を安くしていき、投資家にとって有難い存在となっています。
その人気は、投資信託ランキング(買付金額)にも表れており、上位5つのうちで第1位と第3位を獲得しています。
順位 | 投資信託名 | 買い付け額(1年間) |
---|---|---|
1位 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 7499億6700万円 |
2位 | インベスコ世界厳選株式オープン | 6390億9600万円 |
3位 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 6059億5200万円 |
4位 | SBI・V・S&P500インデックスファンド | 2684億9000万円 |
5位 | 楽天・全米株式インデックスファンド | 2546億2900万円 |
第1位のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は買い付け金額も他を一歩抜け出しており、第3位のeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)も充分大きな金額となっています。
第1位~第3位の買い付け額は大きく、4位以下を大きく話しているので投資信託でも上位のものに資金が集まっており、その中でもeMAXIS Slimシリーズは第1位と第3位を占めているという人気・実力ともに充分にある投資信託となっています。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim全米株式」
さて、では従来から人気のある「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と、新しく設定された「eMAXIS Slim全米株式」とでは何が違うのだろうか?
どちらも同じ米国株市場に投資をするインデックスファンド(投資信託)なのですが、それぞれの違いを確認してみましょう。
項目 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | eMAXIS Slim全米株式 |
---|---|---|
ベンチマーク | S&P500指数 | MSCI USAインベスタブル・マーケット指数 |
対象区分 | 米国の主要産業を代表する500社程度 | 米国の大型株・中型株・小型株 |
組み入れ銘柄数 | 503銘柄 | 999銘柄 |
信託報酬 | 0.09732% | 0.09732% |
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は主要な企業500社に投資をしており、「eMAXIS Slim全米株式」は米国の大型株・中型株・小型株にバランスよく分散されているといった感じなります。
ただ、ここで注意が必要な点は、「eMAXIS Slim全米株式」は組み入れ銘柄が999銘柄だという事です。
「eMAXIS Slim全米株式」がベンチマークとしているMSCI USAインベスタブル・マーケット指数は組み入れ銘柄数が2461銘柄となっており、米国株式市場の99%をカバーしている状態となっており、文字通り全米株式全体に投資をする感じとなっていますが、MSCI USAインベスタブル・マーケット指数を参考に運用されている「eMAXIS Slim全米株式」は999銘柄しか組み入れていません。
これは、取引コストや保管費用等を考慮して当初は999銘柄での運用となっており、今後「eMAXIS Slim全米株式」を購入する人が増えていき、純資産が積みあがっていけばベンチマークであるMSCI USAインベスタブル・マーケット指数と同じぐらい(2461銘柄)の銘柄数にまで増やしていく予定だそうです。
なので、当面の間は「eMAXIS Slim全米株式」は999銘柄での運用となります。
信託報酬はどちらも同じとなっており、信託報酬ではどちらも優越はつけられず同点となっています。
あえて選ぶ必要はない
投資信託を選ぶうえで重要な要素となる信託報酬はどちらも同じであり、共に非常に低い信託報酬となっているので、低コストな投資信託を選ぶという観点からすると、どちらを選んでも問題はないです。
あとは中身の問題で、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は主要500社に投資をしている感じで、「eMAXIS Slim全米株式」は米国市場全体に投資をしている感じとなっているので、主要500社(米国市場の80%をカバー)でいいのか、それとも米国市場全体(米国市場の99%をカバー)する方がいいのかの、好みの問題となります。
ただし、上記の説明したように、「eMAXIS Slim全米株式」は現在の状況では市場全体の99%をカバーする2461銘柄で運用しているのではなく、999銘柄でしか運用していません。いずれは、ベンチマークであるMSCI USAインベスタブル・マーケット指数の2461銘柄に近づけていくようですが、当面は999銘柄での運用となっています。
この程度(999銘柄)ならば、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が運用している500銘柄とあまり差がないと思います。
「eMAXIS Slim全米株式」を選ぶメリットは、幅広い銘柄に分散投資をしているという点です。しかしながらベンチマークであるMSCI USAインベスタブル・マーケット指数のように2461銘柄で運用しているのではなく、999銘柄でしか運用していないようであれば、幅広い銘柄に分散投資というメリットが薄れてしまいます。
これであれば、あえて「eMAXIS Slim全米株式」を選ぶ必要はなく、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の一択で決まりだと思います。
さて、今回の内容は、YouTubeにもアップしています。動画でみると、ブログとは違う魅力などもあると思いますので、ぜひYouTubeの方も見てくださいね。
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