中国株の逆襲

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中国当局が徹底したゼロコロナ政策。あまりの厳しさに市民の不満は高まっていました。そもそも、感染症であるコロナをゼロにすると言う事自体が無謀であり、感染抑制のために都市封鎖をしても感染の流行を抑える事は出来たとしても、ゼロにすることは無理です。

現状でベターだと思わるのは、ワクチン接種の普及率をあげ、手指消毒・マスクなどを徹底して、出来るだけ感染予防を行いつつ、経済も回しながら、経済活動を回しても爆発的な流行を防ぐための感染予防策を講じながら医療現場の負担をあげないようにコントロールしていく事になると思います。

中国はゼロコロナにこだわったために都市封鎖を徹底して行う方向性に舵を切っており、上海などの大都市で長い都市封鎖を行ったために多くの市民の反発を買い、それが爆発寸前のところまできました。

高まった不満は人々を抗議行動へと突き動かし、ゼロコロナ政策への批判の声が上がり始めました。

ただし、直接的な政府批判・政策批判は逮捕されたりするなどの不利益を被る可能性があります。そのため、人々は白い紙を掲げながら抗議行動をする事となります。白い紙を掲げた人々は次第に多く集まるようになり、その行動はネットを中心に拡散されていくようになります。

明らかにゼロコロナ政策を含めた中国当局への批判による行動ですが、白い紙自体には何も書かれていないので、何の抗議行動なのかは分からないという形をとっているため、中国治安当局も安易には手を出せません。

広まった抗議活動に、政府はついに折れて、ゼロコロナ政策はなし崩し的に崩壊していくのでした。

目次

民衆が動かした政治的な活動

今回の抗議活動は、後から振り返れば歴史的な出来事として記録されるかもしれませんね。

市民の抗議活動によって政府直轄の政策が転換されたという歴史的な事件でもあると思います。ゼロコロナ政策が緩和される事はあると思っていましたが、撤廃するぐらいにまで進むとは想定していませんでした。それほど急速に方向転換するほど、市民の中国当局への抗議がゼロコロナ政策から違う方向(直接的な政権批判)に行く事を恐れたのでしょうね。

中国のトップで独裁的な運用を行い始めている習近平氏の肝いりの施策であるゼロコロナ政策は簡単には方向転換できなかったはずである。厳しすぎるという声や無謀だという声があったとしても、ずっと誰も反対できずに続いてきたゼロコロナ政策。習近平氏の3選目を決定的にした昨年10月の全国共産党大会でもゼロコロナ政策を継続する事をうたっており、その成果を強調していました。

政権当局は、当面はゼロコロナ政策を維持するつもりだったし、それに意見をしたり・批判をする幹部はいませんでした。

というよりも、習近平氏に意見を言える人などいないのかもしれませんね。

独裁者みたいだね

制裁を恐れて、だれも口出しできないのだろうね

そんな状態にも関わらず、市民の抗議であっさりと崩壊したゼロコロナ政策。

確かに、あの状態で市民の声を聴かずにゼロコロナ政策を継続したり、デモを行った市民を大量に拘束したりしたら、全国的な大規模な政権批判に発展したかもしれませんね。場合によっては、市民と政府の武力衝突が起こって中国国内が大混乱に陥ったかもしれません。

主にデモに参加していたのは若い人達が中心だったようです。スマホを駆使して、SNSを利用して、情報はすぐに拡散されます。現代社会においては全てを隠ぺいする事は不可能です。そのような状態では流石の中国も全てを取り締まる事も出来ずに、ある程度は市民に寄り添う事しかできなかったですね。

情報の隠滅で突き進んでいく

中国当局もゼロコロナ政策を徐々に規制を緩和していくつもりだったと思いますが、一度規制を緩和してしまったら、あっという間になし崩し的に制度が崩壊してしまい、もはやコントロールが出来ない状況になってしまいました。こうなったら、今更再び厳しい対応に戻すことなど出来ないです。そんな事を再びしたら市民の感情は爆発してしまいます。

中国当局としては、「ゼロコロナ政策は間違いなかった」「すでにゼロコロナ政策の役割は終わった」「次なるステージへと移行する時になっている」と、ゼロコロナ政策は問題なかったが、中国当局はゼロコロナ政策を経て次なる対応へと進んで行くのだと発信するしかなかったですね。

さて、ゼロコロナ政策が撤廃されたのはいいかもしれませんが、何も規制がないのもいかがなものかと思います。厳しく抑圧されていたものが急に自由になったために、感染予防対策などは置き去りになっており、人流や経済活動が急に動き出したことによって、コロナの感染が爆発的に起こっているような感じです。

大都市部では70%~80%の人が感染したと言われているね

本当ならば、かなり深刻な状況だよね

ただでさえ膨大な人口を抱える中国でコロナの感染が爆発的に拡大すれば、医療崩壊は必須ですよね。そして、多量の医療難民を生み出して、死亡者はかなり多くなるでしょう。世界的にも類を見ないほどの死者数になるのではないでしょうか。

それでも、中国は平然とその死者たちを乗り越えて前に進んでいくでしょう。多くの市民がなくなったとしても、それは公表されず、欧米諸国が推測で死者数を予測するだけで、大量の市民がなくなったとしても、コロナをコントロール出来ていると対外的にも国内的にも発表していくでしょう。

このあたりが、中国の恐ろしい所であり、中国が強い所でもあります。

無理やり経済は回復していく

すでにコロナ対策がコントロール不能となっていると思われる中国。毎日行っていた感染者数と死亡者数の公表を取りやめてしまいました。今後は、どの程度の頻度で発表するのか不明であり、月に1回程度になるのではとも言われています。

ゼロコロナ政策を行っていた為、罹患者が少なく、抗体を持つ人が極端に少ないと推測される中国で、感染予防・感染対策をせずに感染者数が爆発的に多くなれば、ロックダウンなどしなくても感染急拡大によって経済活動は大きくスローダウンしてしまうかもしれません。

それでも、ここまでくれば無理やりにでも経済を回していく方向性に舵を切っていく事になるでしょう。

旧正月(春節:1月21日~27日)の人々が大移動する時期を過ぎた頃には感染拡大がピークになっているかもしれません。その後、しばらくは経済活動が滞っている可能性がありますが、それを過ぎれば全力で経済活動を動かしていくのではないだろうか。

今更感染が拡大しているからといってゼロコロナ政策をする事はないと思います。であれば、感染は拡大していないというスタンスを崩さずに、どれだけコロナが蔓延しても経済を回していく方向性に舵を切っていくと思います。

ゼロコロナ政策という極端な政策を推し進める事が出来たという事は、逆に言えばコロナがどれだけ大規模に蔓延しても通常の生活を推し進めていく事も可能な国だと思います。

今年は、世界の国々がインフレに苦慮して世界的な景気の後退が進んで行く事になると想定されていますが、中国では一足先に景気が戻ってくるのではないかと考えています。中国当局が「もはやコロナを乗り越えた」と発表しながら経済を回していく事を優先する可能性が高い事を考えれば、中国経済は世界経済回復の急先鋒になっていくと思われます。

ボロボロだった中国株の逆襲が始まっていくのかもしれませんね。

  

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