日本株の歴史的な暴落と歴史的な暴騰が発生して、世界的にも上昇と下落の幅が大きいボラティリティが高い相場になってきていますね。そんな中で、投資の天才と言われている世界的な投資家であるバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイはキャッシュを積み増していたようです。
バフェット氏の動向は気になるよね
幾多の修羅場を潜り抜けて、資産を大きく増やしてきた人だからね
優良な銘柄を長く保有する事でも有名なバフェット氏ですが、資産を増やす原動力となっているのは「これだ!」と判断した企業には集中して資金を投下する決断力と、市場がドン引きするぐらい暴落した時には「ここだ!」と多量の資金をつぎ込んでいく胆力です。
そして、現在のバフェット氏(バークシャー・ハサウェイ)の最大の投資先が世界最大規模の企業であるアップルです。
アップルにはポートフォリオの半分以上を占めるほどの集中投資をしていました。それほどでに全幅の信頼を与えていたアップルの株式をバフェット氏は売却し始めています。
去年の10月~12月の間に、アップルの保有株のうちで1%ほどを売却していました。この当時は、初めてアップルを売却したという事もあり、まだ調整程度に売却したのかなと思われていたのですが、今年の1月~3月になると再びアップルを売却しており、保有していたアップル株の13%を売却していました。最大の自信と信頼を持っていたアップルを本格的に売却し始めていたのです。
そして、先日発表されたバークシャー・ハサウェイの決算では今年の4月~6月に更に多くのアップル株を売却しており、保有しているアップル株の半分近くを売却していたことが明らかになりました。これにより、以前まではポートフォリオの半分以上を占めていたアップルは、現在ではバークシャー・ハサウェイのポートフォリオの30%程度にまで減少しています。
また、バフェット氏は4月~6月の間に、アップル株だけではなく、ポートフォリオ2位のバンク・オブ・アメリカやポートフォリオ5位のシェブロンも一部売却しています。バンク・オブ・アメリカは保有株の9%を売却しており、シェブロンは保有株の3%を売却したようです。
アップルの大量売却と、ポートフォリオ2位と5位の企業を一部売却しており、ポートフォリオ上位5社で売却していないのは昔から保有しているアメリカン・エキスプレス社とコカ・コーラ社だけとなっています。
バフェット氏(バークシャー・ハサウェイ)は、4月~6月は大量に保有株の売却に動いており、購入金額から売却金額を差し引きした金額は、7期連続で売り越し(売却の方が多い)となっており、今期(4月~6月)の売り越し額は前期の4倍にまで膨れ上がっています。
今期(4月~6月) | 購入(売却)金額 |
---|---|
株式購入 | 16億1500万ドル |
株式売却 | 771億5100万ドル |
差し引き | 755億3600万ドル(売り越し) |
775億3600万ドルというと日本円では11兆6000億円という超巨額の資金となり、S&P500などの米国株市場が今年の6月頃には史上最高値圏にあった時に、バフェット氏は淡々と利益確定に動きながらキャッシュを積み増していた事になります。
これでバフェット氏(バークシャー・ハサウェイ)が保有している現金保有残高(現金と短期国債の合計)は、2769億ドルとなっていて、これは日本企業であれば日本最大のトヨタ自動車の時価総額(約2725億ドル:39兆5000億円)を上回る規模であり、米国企業ではネットフリックス(2660億ドル)やペプシコ(2400億ドル)などを完全買収できるほどの巨額の金額となります。
虎の子と言われたアップルさえも売り払い、史上最高額のキャッシュを積み増しているバフェット氏。奇しくもバフェット氏が現金を積み増した後の7月からは米国株市場も下落相場となっており、急速に株価水準は下がっています。
米国では景気後退懸念が高まっており、大幅な利下げが必要になるのではという憶測が広がっている中、稀代の天才と言われているバフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは巨額のキャッシュを用意して、虎視眈々と次なる獲物を狙っているようです。
やはり私たちも、投資家達が浮かれ始めて、SNSなどにも資産公開が増えている状態であれば、少しずつキャッシュを積み増していった方がいいのかもしれませんね。
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