新NISAが始まって、今まで以上に投資信託の人気が高まりましたね。積立NISAについては投資信託(一部のETFも含む)のみとなっているので、投資信託を購入している人がほとんどですよね。特に最近はインデックス投資信託が充実しているから助かりますよね。
eMAXIS Slimシリーズが大人気だね
投資信託と言えば、真っ先に名前があがる投資信託ですね
今の投資信託の売れ筋商品はインデックス投資信託であり、2024年 1月~ 11月の国内の公募株式投資信託(上場投資信託であるETFを除く)への資金流入額( 14兆 8000億円)のうちインデックス型は 約 70%にあたる 10兆円となっていて、市場平均を上回る運用成績を目指すアクティブ型を大きく上回っているよ。
インデックス投資信託の中でも群を抜いて人気を集めているのが、全世界株式指数への連動を目指している「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー:通称オルカン)」と、米国のS&P500への連動を目指している「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」ですよね。
これらを運用している三菱UFJアセットマネジメントによると、この2つの投資信託の保有者数は約 1000万人となっていて、18歳以上の国民の10人に1人が保有しているぐらいメジャーな投資信託をなっているんだな。
特に、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の純資産額は、2024年 10月 28日に 5兆 7695億円となり、今まで投資信託において純資産額の最高記録を誇っていた「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型:通称グロソブ)」を追い抜いたよね。
これだけ人気の投資信託となっていても、運用会社の収益という面では年々低下してきていて、各社とも厳しい戦いが続いているようなんだ。
インデックス投資信託の競争が激化するにつれて、信託報酬を引き下げる値下げ合戦が始まり、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」も先日の 12月 10日に信託報酬を引き下げる発表をしていたね。これで、設定以来4回目の信託報酬引き下げとなっているんだな。
投資信託を提供する側の収入は大きく2つに分けられるんだ。1つは金額に応じた販売時の手数料。もう1つは、投資家が投資信託を保有する際に保有する投資信託から一定の割合を受け取る事が出来る信託報酬だよね。信託報酬は、運用会社・販売会社・信託銀行に分配されるんだ。
従来までは、今ほどインデックス投資の数も多くなく、インデックス投資が主流と言うほどでもなかったので手数料収入も十分にあったんだ。例えば、大人気だった「グローバル・ソブリン・オープン」の販売手数料は 1.65%で、信託報酬は年間 1.375%なんだ。 100万円購入すると、販売時に 1万 6500円、さらに年間の信託報酬が 1万 3750円引かれる事になるんだよね。
でも、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は販売手数料がなく、信託報酬も 0.09372%なので、100万円で購入しても、手数料は信託報酬の 937円しか入ってこないんだよね。「グローバル・ソブリン・オープン」との差は10倍以上も開いているんだよな。
運用会社としては、この差は非常に大きくて、「グローバル・ソブリン・オープン」の残高が今の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と同じぐらいの規模だった 2008年 8月の頃で信託報酬は月間で 60億円ほどあったけど、同じ規模の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の信託報酬は月間で 4億円ほどしかなく、15分の1ほどしかないんだよね。
今、一番売れに売れていて過去最高の純資産額を叩き出している「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」でさえ、競争激化による信託報酬の引き下げによって、このぐらいの収入しかないのだから、他のインデックス投資信託はもっと苦しい状態なんだよね。
投資信託を保有する際に困るのが、保有している投資信託が繰上償還(投資信託の規模が一定の水準を下回った場合に強制的に運用終了)となる事だよね。
投資家を集まるために信託報酬を引き下げるインデックス投資信託も多いけれども、信託報酬が安いというだけで選んでしまったら、あまり人気が無くて(保有残高が少なくて)、結局は繰上償還になってしまうという危険性があるから注意が必要だね。
投資信託は「信託報酬が安い」というだけでなく、「ある程度の規模の大きさがある」ということも考慮にいれて購入する必要があるよね。
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