トラックの自動運転開発技術企業というマニアックなオーロラ・イノベーションが決算発表を行っていました。決算発表後の株価は何と1日で46%も上昇するという暴騰を見せていました。えげつない上昇力ですよね。今まで保有していた企業の中で、1日でこんなに上昇した銘柄は初めてかもしれませんね。

小型株が爆発した時の凄さが表れているね



怪しさ満開の銘柄だけに、吹きあがると止まらないね
保有している私自身も期待感だけで保有している銘柄であり、ハイリスクハイリターンを覚悟で投資をしているのですが、多くの方が期待感だけで買っているみたいで、上昇すると半端ないぐらいの上昇力を見せてくれるのですが、下がる時は振り子のように激下がりするので怖い銘柄ですね。
さて、ではオーロラ・イノベーションの2024年度第4四半期決算を確認してみましょう。
オーロラ・イノベーション2024年度第4四半期決算
「オーロラ・イノベーション(AUR)の2024年4Q」
売上 0円
営業利益 -1億9900万円(赤字)
純利益 -1億9300万円(赤字)
1株利益 -0.11ドル(赤字)



なんだ、この決算は・・・
トラックの自動運転を開発しているという事で、開発費用ばかりが掛かっていて、商品はまだ出来ていないので売上は全く上がっていません。なので、売上が 0円、営業利益も純利益も赤字というヤバい会社です(笑)
オーロラ・イノベーション(AUR) | 2024年4Q |
---|---|
現金及び現金同等物、短期投資 Cash and cash equivalents, and short-term investments | 12億2300万ドル |
「営業費用」 Operating expenses | |
研究開発費 Research and development | 1億7100万ドル |
販売費及び一般管理費 Selling, general and administrative | 2800万ドル |
営業費用合計 total operating expenses | 1億9900万ドル |
営業損失 loss from operations | -1億9900万ドル |
「その他の収入」 other income | |
デリバティブ負債の公正価値の変動 change in fair value of derivative liabilities | -900万ドル |
その他の純収入 | 1500万ドル |
税引前損失 loss before income taxes | -1億9300万ドル |
所得税費用 income tax expense | 0ドル |
純損失 net loss | -1億9300万ドル |
1株純損失 basic and diluted net loss per share | -0.11ドル |
平均発行済株式数 basic and diluted weighted-average shares outstanding | 17億2200万株 |
現金及び短期投資による資金は約12億ドルもあり、非常に強固なバランスシートで決算を終える事が出来ているようです。この流動性は2026年後半までの商業利用開始と事業運営を支える事が出来ると考えているみたいです。
2025年には、四半期平均で 1億 7500万ドル~ 1億 8500万ドルの現金の使用を見込んでおり、設備投資の増加や事業規模の拡大に向けた新たなハードウェア・プログラムの開発継続を反映しているようです。
商業利用が開始されると当然ながら収益(売上)が入ってくる事となり、収益にはドライバーレス事業による収益に加えて、今までは研究開発費として計上してきたパイロット事業(試験運行)での収益が計上されるようになるみたいです。
2025年の収益は、1桁台半ばの小幅なものになると想定しているみたいですが、オーロラにとっては大切な1歩であり、財務状態への影響は極わずか(赤字が解消されるほどの規模には到底届かない)であるけれども、今後もドライバーレス事業の拡大に努めるという事のようでした。
今年の見通し
ダラスからヒューストンへのトラックによる自動運転開始はほぼ確立されており、自立走行準備度評価(ARM)は 99%に達したそうです。また、オートノミー性能指標(API)の商業利用開始可能レベルである平均 90%という数値もほぼ達成できそうな感じだそうです。
ちなみにオートノミー性能指標(API)は、いかなる形態のオンサイト・サポートも必要としなかった場合の商業集荷の割合(APIが 100%)に近づける事を目標としているようです。ただ、これが100%なるのは難しく、例えばパンクした場合には現場においてサポートが必要となる事から商業利用レベルにおいてはAPIが 90%以上あれば十分だと考えているようです。
今年の4月からは、ダラス・ヒューストン間での最初のドライバーレストラック(トラック自動運転)を就航させる予定となっています。まずは、1台のドライバーレストラックから開始をして、順次拡大していき、最大で 10台のドライバーレストラックの運行を行う予定となっているようですね。
オーロラとしては、意図的に「這って、歩いて、走る」というアプローチで進める方針のようで、どうやら「ゆっくりとスタートしつつ、徐々に拡大してき、その後に勢いよく拡大させる」みたいな感じなのかな。
2025年の後半には、「フォートワース~エルパソ間の運行を開始」、「更にフェニックスへの運行も開始」、「数十台規模のドライバーレストラックの運行開始」が実現できるように努めるそうです。
オーロラの自動運転は、燃費性能にもすぐれており、業界平均よりも15%ほど少ない燃費で走行する事が出来ているようであり、これにより人件費の削減だけでなく、ガソリン代の節約にもなり、費用及び環境に配慮した運転が可能となっています。
2024年4Qにおいては、ボルボ・オートノミー・ソリューションズ社(VAS)に搭載されたオーロラ・ドライバーシステムによって、DHLサプライチェーン(DHL)の貨物をダラス~ヒューストン、フォートワース~エルパソの2つのレーンでパイロット事業(試験運行)を開始しています。
4月からの自動運転開始への問題点
米連邦自動車運送安全局(FMCSA)は現在、トラックが車線内や高速道路の路肩で走行不能になった場合、他の道路利用者に注意を促すため、停止後10分以内に車両の後方に警告装置(反射三角標識、導火線、液体燃焼フレア)を設置することを運転手に義務付けています。
オーロラ社は2年前にデータに裏打ちされた警告装置の免除申請を提出し、自律走行トラック用の代替警告システム(他の道路利用者に注意を喚起するために点滅灯を使用する、視認性の高い運転台に取り付けられた警告ビーコンのセット)を試験的に導入することを実施しています。
道路脇は人にとって最も危険な場所のひとつである。しかし、現在の商用トラックの規則では、ドライバーは車両から降りて、車両の周囲に小型の警告装置を手で設置する必要があり、ドライバーは通行車両に衝突される危険に直接さらされている。この規制は50年以上前に導入されたもので、その間に更新されたものはほとんどなく、安全性を向上させることを示すデータや研究に裏付けられたものでもない。
米連邦自動車運送安全局(FMCSA)は2年にわたる沈黙の審査の後、去年の 12月に自律走行トラック用の近代化された点滅式路側警告システムの試験的導入申請を却下しました。
ただし、今年の4月に予定されているドライバーレス・トラックの運行開始には影響を与えません。なぜならば、当社は代替技術ソリューションを開発中であり、法律を遵守できる運行管理体制を整えているからである。とこのようにオーロラは主張しているみたいだね。
オーロラは連邦裁判所に、FMCSAがこの革新的な点滅式警告システムの使用を不当に拒否したことを再検討するよう求めており、この訴訟によって、革新的で安全な解決策が公正に評価される道が開かれることを期待しているそうです。
米国で大統領政権が交代してトランプ政権が誕生しており、規制緩和が期待されています。新たに米運輸長官に任命されたショーン・ダフィー氏は「自動運転は、道路をより安全にする可能性を秘めた素晴らしい技術であるだけでなく、国家安全保障の問題でもある。AV技術に関して、中国や他の国に遅れをとるわけにはいかない。今は州ごとに法律がバラバラです。私は、これらすべての革新的企業が遵守する連邦法が必要だと考えている。私は常に安全が重要であることを確認するが、安全の後に、これらの企業に広い滑走路を与えたい」と述べている事から、米連邦自動車運送安全局(FMCSA)がオーロラの点滅式警告システムを認可してくれるものと期待しているようですね。
このあたりの認可について不透明な部分があり、4月からのドライバーレスの運行開始については見切り発車的な感じがあるよね。
状況によっては、4月の開始が延期される事も十分に想定されるよね。
オーロラの成長性
今年の年初の頃に、オーロラはエヌビディアやコンチネンタルと3社による提携を発表しており、これにより更に大規模な事業展開を成功させる重要な基盤を固めたとされています。オーロラは、自立走行トラック輸送を大規模に実現できる唯一の企業とされており、エヌビディアのDRIVE ThorシステムオンチップとDriveOSは、コンチネンタルが2027年から量産する予定のAurora Driverハードウェアキットに統合される事になります。
エヌビディアのCEOであるジェンスン・ファン氏は、「自律走行車革命は到来した。私は、これがおそらく最初の数兆ドル規模のロボット産業になるだろうと予測している」と述べ、オーロラとエヌビディア、コンチネンタルが共同で開発するトラック自動運転システムに期待を寄せているようですね。
現在のオーロラのシステムでは、通常の天候・時間を想定しており、夜間運転や暴風雨の運行はシミュレーションのみとなっているので、これを実地していきたい考えのようです。なので、今年度(2025年)は夜間運転と暴風雨での実地、来年度(2026年)は小雪が降る・積もっている状態での実地をする予定のようです。
また、運行レーン(地域)については、今年度はダラス~ヒューストン間で開始をして、その後にフォートワース~エルパソ、フォートワース(テキサス州)~フェニックス(アリゾナ州)となっていく予定であり、テキサス州のみの運行からテキサス州~アリゾナ州への運行へと広げていく方針です。
来年度(2026年)にはサンベルト地域(アメリカ合衆国南部および南西部の、北緯37度以南の地域)へと運行を広げていき、再来年(2027年度)には米国北部地域にも拡大していく予定となっています。
計画通りに進むのであれば、数年後には全米に展開している事になっているみたいですね。
まとめ
決算をみても素人の私にはよく分からない内容でした。とりあえず、夢がある企業だという事は分かったものの、現時点では何もできておらず、収益化がもう少しで始まりそうだという生まれたての企業といった感じです。
ゆえに、今後に成長できるようであれば株価の上昇力は非常に強いものがあると思われ、ポテンシャルは非常に高い企業だと思います。反面、確実に超ハイリスク・ハイリターンな銘柄であることから全損の可能性も十二分にあると思っています。
今年の4月からのドライバーレス運行の開始が実現できれば非常に期待が高まるのだと思うのですが、点滅式路側警告システム(事故を起こした際に義務付けられている反射三角標識の代わりとなるもの)が認可されなかったことで、実際に本当に4月からドライバーレス事業を開始できるのか不透明な気がします。
オーロラ側は、代替技術ソリューション(他の方法)によって法律を遵守できる運行管理体制を整えているとしていますが、それも認可されるか分からないので、不認可であれば期待感が大きく下がる(株価が大きく下がる)要因になると思います。
ただ、自家用車やタクシーの自動運転とは違い、トラックの自動運転を手掛けている企業はほとんどなく、しかもこれほど大規模に大企業と手を組んで実施しているのはオーロラだけであり、なおかつエヌビディアのバックアップもある事から、トラックの自動運転化の実現に一番近い企業である事は間違いないと感じます。
投資対象として大きく資金を突っ込むことは難しいのですが、少しずつ小刻みに少量の資金を投資しておいて長く寝かせておけば、いつかは大きく花開く可能性がある宝くじ銘柄として楽しむことが出来る銘柄であり、非常に面白い企業だと思っています。
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