昨日は、消費者物価指数が発表されるのと同じ日にFRB(米連邦準備制度理事会)によるFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催が重なるという非常に珍しい日であり、これらの内容によっては相場が大きく動く可能性があったので株式市場からの注目度も高かったですよね。
金利の動向は気になるよね
利下げがいつ始まるのかに注目が集まっていますよね
昨日発表された消費者物価指数は市場予想の3.4%を下回る3.3%となっており、コア消費者物価指数(変動の大きいガソリンや食品を除く)も市場予想の3.5%を下回る3.4%となっており、インフレ懸念が少し和らいだ形となっていました。
インフレが継続していると利下げの時期も遅れてしまうので、今回のインフレ懸念の低下は相場に良い印象を与えていたようです。
それを受けて、FOMCの結果はこのようになっていました。
FRB委員による今後の金利予想(現在の金利は5.50%)
政策金利 | 5.50% | 5.25% | 5.00% |
---|---|---|---|
2024年 | 4人 | 7人 | 8人 |
政策金利 | 5.50% | 5.00% | 4.50% | 4.25% | 4.00% | 3.75% | 3.00% |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 1人 | 1人 | 4人 | 9人 | 2人 | 1人 | 1人 |
政策金利 | 5.00% | 4.25% | 3.75% | 3.50% | 3.25% | 3.00% | 2.75% | 2.50% |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2026年 | 1人 | 1人 | 3人 | 3人 | 7人 | 2人 | 1人 | 1人 |
2024年は現状の金利から変わらないが4人、1回利下げするが7人、2回利下げするが8人となっていました。今年に利下げをするという意見が約8割ほどを占めていることから、今年度に利下げする方向性は変わらないようですね。ただ、3月のFOMCの際には今年は3回ほどの利下げを想定していたのが、今回は1回程度の利下げを想定しているといった感じだったので、利下げ回数は前回よりも少なくなっています。市場の想定でも2回程度の利下げを織り込んでいたので、そういった意味ではタカ派的な内容だったと言える感じでした。
2024年は、現状の5.5%から5.25%に1回利下げするといった感じでしたが、翌年の2025年は5.25%から4.25%へと4回ほど利下げする事を想定しており、2025年は従来の3回ほどの利下げから4回の利下げへと増やしており、今年度に想定していた利下げを来年度にスライドしていくという感じのようですね。
さて、ではFRBは今後の経済成長や失業率、インフレ率などをどのように想定しているのかを確認してみましょう。
項目 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
---|---|---|---|
GDP成長率 (前回の予測値) | 2.1% (2.1%) | 2.0% (2.0%) | 2.0% (2.0%) |
失業率 (前回の予測値) | 4.0% (4.0%) | 4.2% (4.1%) | 4.1% (4.0%) |
PCEインフレ率 (前回の予測値) | 2.6% (2.4%) | 2.3% (2.2%) | 2.0% (2.0%) |
コアPCEインフレ率 (前回の予測値) | 2.8% (2.6%) | 2.3% (2.2%) | 2.0% (2.0%) |
政策金利 (前回の予測値) | 5.1% (4.6%) | 4.1% (3.9%) | 3.1% (3.1%) |
FRBとしては、前回に想定していたよりもインフレが思ったよりも下がっていないという感じだったみたいでインフレ率など想定は前回よりも少し上昇しています。それが利下げの後ろ倒しに繋がっているといった結果に繋がっています。
さて、FRBとしては今年は1回程度の利下げを想定してるといった感じになっていますが、市場では相変わらず2回の利下げを想定している動きの方が優勢のようです。9月に利下げを行い、12月にも利下げを行うといった想定が一番優勢となっています。
今年の利下げが1回か2回になるのかはまだ流動的ですが、今年中に利下げが行われる可能性は非常に高まっているという事であれば、長期金利が今後下がっていくのは確定路線となっていきます。
長期金利が下がっていくという事であれば、長期金利の下落局面に強い債券などをポートフォリオに入れておく方がパフォーマンスは安定するのではないかなと思っています。
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