今では AI業界において、オープン AIと共に双璧となっているアンソロピック。オープン AIは、マイクロソフトとの結びつきが非常に強く、極端にいえばお互いの依存度が強すぎるといった側面があるのですが、一方でアンソロピックは全方位戦略を取っており、特定の一社に頼ることなく、事業を行っています。

オープンAIか、アンソロピックか、どちらが勝つんだろね



どちらもが棲み分けしてくれるのが理想的だけどね
オープン AIがマイクロソフトとの依存関係が深いのとは対照的に、アンソロピックにとって最大の支援者は、クラウドインフラを提供するアマゾンとグーグルの2社です。
アマゾンは、今までに 80億ドルほど出資しており、アンソロピックにとって最大の資金提供者です。そのため、アンソロピックはアマゾンのAWS(クラウド)を優先クラウドとして利用しており、Claude(クロード:アンソロピックの生成 AI)のメインの稼働環境となっています。また、出資の見返りとしてアンソロピックの株式も保有しています。
グーグルも、今までに 30億ドルほど出資しており、アマゾンよりも初期の頃から出資をしていた関係がある事から、アンソロピックの株式を 10%~15%ほど保有しています。Claude(クロード)はグーグルのクラウドでも稼働しており、セカンダリ(第 2位)の稼働環境となっています。
アマゾンの方が資金提供額が多く、Claude(クロード)のメインの稼働環境先となっていることから、アンソロピックへの影響力ではアマゾンの方が一段階高い感じとなっていますが、マイクロソフトがオープン AIに対して非常に強い権限を持っているのと対照的に、グーグルとも関係性が深く、バランスを重視しています。
オープン AIがマイクロソフトとの結びつきを強化して、営利目的へ急旋回したことを反面教師として、アンソロピックには企業の使命(安全なAI開発)を守るための独立した理事が存在し、株主(アマゾンやグーグル)の意向よりも「AIの安全性」を優先できる権限を持っています。長期利益信託(LTBT)という新たなガバメント機構になります。これが、大企業による「乗っ取り」を防ぐ防波堤となっているみたいですね。
アンソロピックが提供するClaude(クロード)は、その性能の高さからSaaS企業(セールスフォースやサイボウズなど)の存在意義が薄れる可能性が高まった事から、ソフトウェア企業の株式を急落させるほどの影響力を持つようになっており、最新の資金調達においても、当初は 100億ドル(1兆5000億円)を集める予定だったのですが、出資したいという需要が多く、最終的には 300億ドル(4兆6500億円)の調達になったようです。
今回のアンソロピックの資金調達で興味深いのは、オープン AIにも出資をしている企業がアンソロピックにも資金提供を始めた点です。アルティメーター・キャピタル・マネジメントとセコイア・キャピタル、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ、メンロ・ベンチャーズなどが出資を行ったようですが、何よりも注目なのは、オープン AIを支えているマイクロソフトとエヌビディアも出資を行う予定だという事です。マイクロソフトとエヌビディアは両社で 150億ドル(2兆3000億円)を出資する事になるみたいですね。
アンソロピックは、全方位戦略で色々な所から資金を引っ張ってくる形を取りながら、広く手を結ぶ方向性を取っており、マイクロソフトとの結びつきが強いオープン AI(最近は少し緩和してきたけどね)とは異なった戦略を取っているみたいですね。
今の所は、オープン AIとアンソロピックが2強状態のようですが、ほんの1~2年前まではオープン AIが1強だった事を考えると、まだまだ他の企業が台頭してくる可能性もあり、AI業界は隙をみせたらすぐに上位が入れ替わりそうなぐらい競争が激しいので、今後もしっかりとチェックしていきたいと思います。


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