アリババ・テンセント復活への道!

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今年は、日本株や米国株市場が調子が良くて投資家の皆さんはウハウハの人達が多いのではないかなと思うのですが、一方で中国株に投資している方々はイマイチな感じなのではないでしょうか。

日本株や米国株が年初来リターンで二桁台のプラス成長だったりするのに対して、中国株の代表的な指数であるハンセン指数はマイナス7%となっており下落しています。

近年の中国株は勢いがなくなったね

昔のような感じに戻るのは厳しいかもしれないですね

せっかくポテンシャルはある市場なのに、複数の幹部・派閥による集団指導体制だったものが一人の個人による独裁国家に変貌した事で、権力の集中化が起こり、国際的な力を付けた一部の企業や経営者は影響力が強くならないように押さえつけられてしまいました。

これらによって、中国株を引っ張ってきた大手IT銘柄は勢いを失くし、大きく失速しています。

今回は、そんな中国において世界に通用するはずだった巨大IT企業復活のお話です。

目次

中国の巨大IT企業が失速した理由のおさらい

豊富な人口を背景に、世界中の企業を誘致し、爆発的な消費や生産を行う事で「世界の工場」「世界の食堂」と呼ばれるぐらいの経済的影響力を持つようになった中国。高い経済成長を続けながら、いずれは米国を抜き去る可能性のある未来の超大国といわれるぐらいでした。

先進国の技術・知識を真似て、ハイスピードでコピーしていく事で、新たな中国発の巨大企業も生まれていき、特にネット分野においては、世界最大手クラスの企業が出てきました。

それが、中国のアマゾンと呼ばれているアリババや、世界最大のゲーム企業であるテンセントなどです。

毎年二桁成長の増収増益を繰り返し、ついには世界の時価総額トップ10に両社ともがランキングする程の巨大企業へと登り詰めました。

しかし、今から3年前の2020年10月24日に政府要人が多数出席している会合で、アリババ創業者のジャック・マー氏が中国監督当局や銀行を公然と批判したのでした。

これに中国当局幹部が激怒。最高指導者習近平氏に報告すると習近平氏も激怒。僅か2週間後の11月5日に実施される予定だった世界最大規模のIPOだったアリババの金融子会社アントのIPOを上場2日前に急遽中止させる命令を下し、アント及びアリババを徹底調査する命令を下したのでした。

「世界レベルの巨大企業に成長した中国のIT企業は、もはや国家よりも力を持っていると勘違いしている」と判断されたアリババを含む中国IT企業には、次々と強い規制が掛かり、難癖を付けられながら高額の罰金も科せられ、世界レベルの巨大企業達は徐々に弱体していき、それに伴い株価も暴落していくのでした。

アントへの罰金が確定される

中国IT企業の様々な分野に規制が掛かり、それに呼応した罰金が科せられていったのですが、フィンテック部門については慎重に調査しており、中国のフィンテックに関わっている企業及び事業に対しては長らく調査が続き、罰金などはまだ確定していませんでした。

中国のフィンテックに関連する企業は、いつ終わるかも分からない中国当局の査察を受け入れ、長い間に渡り中国当局による調査を受けていたのですが、先日ようやくフィンテック企業に対する罰金が確定したというニュースが流れました。

アントに対しては71億2000万元(約1400億円)の罰金が確定しました。これによって一連の調査は終了して業界への締め付けは終了していくと市場では予測され、アントの発行済株式を約3割ほど保有しているアリババの株価は9%も上昇するという急騰をみせていました。

アントへの罰金は71億元と巨額なものでしたが、アントの2022年第4四半期(10月~12月)の利益は96億元となっており、充分に罰金を賄える規模の利益を誇っており、罰金が確定して調査が終了する事で不確定要素が減少した事を好感されていました。

罰金はアントだけではなく、テンセントのフィンテック部門は29億9000万元の罰金、そのほかにも中国郵政貯蓄銀行、平安銀行、中国人民財産保険などにも罰金は科せられており、中国のフィンテック企業は軒並み罰金を支払う事になっています。

これにより、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は、「プラットフォーム企業の金融事業における顕著な問題のほとんどは是正されており、今後は規制当局が特定の企業に重点を置いたものから、業界全体に対する通常の規制に移行する」と述べていました。

長きにわたって懸念されていた強い規制は終了していく可能性が高まったのです。

まとめ

アリババ創業者ジャック・マー氏の失言から始まった中国IT企業への強い規制。

企業トップの傲慢な発言が中国の最高指導者である習近平氏を激怒させ、中国IT企業のみならずあらゆる企業に対して強い規制や倫理観・罰金を科せられた一連の流れは、問題の出発点となったアントへの罰金が確定した事で、ひとまず終結へと向けて進んで行きそうです。

中国の中央銀行である中国人民銀行も「通常の規制に移行する」と述べていたように、普段の状態に徐々に戻っていく事になっていくものだと想定されます。

とはいえ、一度失った信頼を取り戻す事は容易ではなく、中国市場から離れていった欧米の機関投資家達が戻ってくるには、時間も信頼感も取り戻すにはまだまだかかると思います。

それでも、新しく一歩を踏み出したことは中国株に投資をしている方々にとっては喜ばしい事だと思います。

ここからが、アリババやテンセントの新たなる旅たちへのスタートとなる事を願いたいですよね。

   

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