世界最大の小売企業と言えば、ウォルマートです。日本ではウォルマートの店舗はなく、あまり馴染みが無い感じですが世界19か国に店舗展開しており、総店舗数は10,616店舗と圧巻の店舗数を誇り、22年連続で小売売上世界 1位を維持してきました。そんな世界最大の巨大小売企業ウォルマートをついにアマゾンが追い抜いたというニュースがありました。

あの巨人ウォルマートをアマゾンが抜いたんだ



ネット社会の象徴的な出来事だね
両者の最新の四半期決算(2024年第 4四半期)を比べてみると、総売り上げはウォルマートが 1805億ドルに対してアマゾンが 1878億ドルとなっており、四半期の売上だけですがアマゾンがウォルマートの売上を追い抜いたようですね。
ネット通販が主力のアマゾンが実店舗中心のウォルマートを上回るというネット社会の象徴的な出来事だったと思います。アナリストの想定でも、年間売上自体も今年度はアマゾンがウォルマートを上回る可能性が高いようです。
ただ、ウォルマートは売上の大半が小売り事業で成り立っているのですが、アマゾンはネット通販だけでなく、クラウド事業(アマゾンウェブサービス・AWS)や広告事業などもあり、単純に総売り上げがウォルマートを抜いたからといってアマゾンが世界最大の小売企業だというのには、少し語弊があるかなと感じます。
なので、ウォルマートとアマゾンの純粋な小売り事業だけを比較してみましょう。
ウォルマートは基本的には小売り事業がメインなのですが、広告事業やメンバーシップ売上(有料会員)などもあるので、それらを除いた純粋な小売り売上は1785億ドルぐらいになります。
一方で、アマゾンにはクラウド事業や広告事業・サブスク(有料会員)などがあるので、それらを除いた純粋な小売り売上高は1286億ドルぐらいになります。
こうやってみると、まだまだアマゾンはウォルマートに追い付いていない感じですよね。
企業 | 総売上 | 小売り売上 |
---|---|---|
アマゾン | 1878億ドル | 1286億ドル |
ウォルマート | 1805億ドル | 1785億ドル |
総売上自体は巨大なクラウド事業や広告事業を持っているアマゾンが今後も売上を伸ばしてウォルマートを突き放していくと思いますが、小売り事業だけをみていくと当面はウォルマートの方が売上高は高い状態が続いていくと思います。
アマゾンの小売り事業がほぼネット通販メインなのに対して、ウォルマートは実店舗 80%・ネット通販 20%という比率であり、実店舗がメインの業態なので、今後さらにネット社会が進むにつれてアマゾンはウォルマートに追い付いていく事になっていくんでしょうね。
「アマゾンが小売り世界最大のウォルマートを抜いた」というニュースだけをみると、アマゾンが世界最大の小売企業になったという印象を受けますが、実際のところは小売り事業という面においてはまだまだウォルマートの方が巨人であり、ニュースもきちんと確認しないと少し勘違いして思い込んでしまいそうですよね。
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