最近の相場はハイテク銘柄が総崩れしている感じなので、「AIブームの終焉か?」「AIバブルの崩壊が始まった」という意見が増えてきました。過去には2000年頃にインターネットブームが過熱して ITバブルが発生し、ITバブルが崩壊した事から株式市場が暴落した事もありました。

ITバブル崩壊の時のようなショックが起こると怖いよね



当時ほどは過熱していないので多分大丈夫だとは思うよ
ここ数年でエヌビディアが急成長して時価総額世界1位に躍り出るなど、AI開発を中心として新しい産業への期待が急増したために半導体銘柄やハイテク銘柄は大きく成長を続けていました。ここにきて、莫大な設備投資が掛かるけれども、それを補うほどの利益を上げる事が出来るのかという不安が高まり、値を上げてきた銘柄が崩れ始めています。
過去の ITバブルのように必要以上に盛り上がり過ぎて反動で激しく下げるのではないかという恐怖心も合わさって、疑心暗鬼が広がっているみたいですね。
では、本当に ITバブルの時のように今回の AIバブルになっているのだろうか?少し確認してみようと思います。という事で、ITバブルの頃の実質PERと予想PER、今の実質PERを予想PERを比較してみましょう。
「ダウ平均、S&P500、ナスダック100の実質PERと予想PER(ITバブル時、現時点)」
| 米国株市場 | ダウ平均 | S&P500 | ナスダック100 |
|---|---|---|---|
| ITバブル時(実質PER) | 26倍 | 28倍 | 113倍 |
| ITバブル時(予想PER) | 23倍 | 24倍 | 60倍 |
| 現時点(実質PER) | 25倍 | 26倍 | 33倍 |
| 現時点(予想PER) | 23倍 | 22倍 | 26倍 |
こうやってみると、ダウ平均やS&P500の実質PERや予想PERは、ITバブル崩壊の頃と似たような水準に近くなってきており、ITバブル崩壊の時のように AIバブル崩壊が起こるかもしれないと身構えてしまう気持ちも分かる気がします。
一方で、決定的に違うのはナスダック100ですよね。ITバブル崩壊時には実質PERが 113倍とかなり高い水準となっており、予想PERですら 60倍となっていました。現在のナスダック100は実質PERで 33倍、予想PERで 26倍となっていて、高いけれども高すぎるというほどではない感じです。
なので、過度に心配する必要はないのではないかなと思っています。ただ、きちんと利益が出てこそ株価の上昇が正当化される(PERが正当化される)ので、データセンターを競って作り続けているハイテク大手(クラウド大手)企業やAIを導入している企業が少しずつでも想定通りに利益を上げていけているのかの確認は必要だと思います。


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