2004年から投資を始めて、今では20年ぐらいが経ちました。その間に数々の失敗を重ねてきましたが、その中でも最大の失敗だと言えるのが、中国の段ボール最大手企業の玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)という企業への投資。買値から約80%も下落した状態で損切という大失敗でした。

買値から80%下落の損切ってボロボロだね



あれほど酷かったものはなかったよ
不用意にナンピン買いを繰り返し、そして傷口を広げ続け、気が付けば膨大な含み損が発生しており、後に引けなくなっていくものの、下がり続ける相場の怖くなっていき、ついにはボロボロの状態で損切りするという最悪のトレードだったんだな。
初めて玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)を購入したは 2006年なんだ。4.7香港ドルで購入して、数か月ほど保有した後に 5.4香港ドルになった時に利益確定して売却。約 15%程度の上昇だったけど利益確定できたので満足してたんだ。ところが玖龍紙業はこの後に急上昇していくんだ。
段ボール製造企業というニッチな企業だったので、それほど注目されていない企業だけど中国で業界ナンバーワンの企業だったし、ネット通販が増えていけば段ボール需要は年々右肩上がりになるだろうと思ったから龍紙業に投資をしたけど、ある程度上昇したところで満足して売却してしまったんだ。その後、市場ではネット通販の拡大により将来的には大きく成長するとの思惑で玖龍紙業の株価は勢いよく上昇し始めるんだ。
利益確定した1年後には 26.3香港ドルにまで上昇していて、わずか1年ほどで5倍以上にも上昇するという爆裂上昇をしているんだよね。私は 4.7香港ドルで買っていたので、そのまま保有していたら 5.5倍になっていたわけなんだ。利益確定していたので別に損はしていないけど、これほどまでに上昇すると気持ち的には損した気分になるよね。



何で売ってしまったんだ~
そんな玖龍紙業も高値を付けた 2007年頃には米国でサブプライムローン問題が起こり株価も徐々に下がり始めていたんだ。26.3香港ドルという株価を付けていた玖龍紙業も株価が下がっていき、高値から20%も下落をしていた。
これほど大きく下げたなら、今のうちに買っておけば市場が回復して株価が戻った時には美味しい思いが出来るだろうと安易に考えた私は、再び玖龍紙業に投資を始めてしまうんだ。これが地獄への入り口だとは知らずに・・・
こうして、高値から 20%程度下落した 20.9香港ドルで玖龍紙業を再び購入する事にしたんだよ。
しかしながら、その後の米国はサブプライムローン問題だけでは収まらずリーマンショックを引き起こし、世界中の株式市場が大きく動揺する事態に陥っていくんだ。当然ながら中国株市場も大ダメージを受けていくのだけど、その当時の私は、この後起こる大惨事などは知る由もなく、20%も下げた玖龍紙業を拾えたことで「いい買い物が出来たかも」と思っていたぐらいなんだよね。
サブプライムローンで動揺した株式市場は、その後も下落を続けていくんだ。私が玖龍紙業を 20.9香港ドルで購入した2007年 11月から僅か 2か月後には更に大きく下落をしており、12.8香港ドルとなっていて私の購入単価(20.9香港ドル)から考えると、なんと 38%も下がっていたんだ。高値から考えると 50%も下げている事になるんだ。



暴落は最大のチャンスだ!
ここで意気揚々とナンピン買いをするんだよね。2008年 1月に 12.8香港ドルで購入するのだけど、これが奈落の底に落ちていく地獄のナンピン買い地獄への序章だったんだよね。
その後も株式市場の下落は止まらず、ズルズルと玖龍紙業の株価も下がっていくんだ。12.8香港ドルでナンピン買いしてから僅か 2か月後の 2008年 3月には 11.0香港ドルにまで下落をする事に。ナンピン買いをした 12.8香港ドルから考えると 15%も下がっているという最悪の展開。それでも諦めないバカな私。



ナンピン買いを続けていれば、いずれは勝てるんだ
ここでも、相変わらず暴落時はチャンスだと強気な私は、意気揚々と2回目のナンピン買いを実行するんだよね。高値からは 60%の下落、私の最初の買値( 20.9香港ドル)からは 47%の下落水準となっている 11.0香港ドルで2度目のナンピン買いをしたんだ。
が、投資の神様はそんなに甘くはないんだよな。更に試練は続き、2回目のナンピン買いをしてから数日後にチベットで暴動が起きた事で中国株が大きく下がる事態が起こってしまうんだ。
チベットで発生していた反政府運動のデモが勢い余って暴動に発展してしまい、それを鎮圧する為に軍隊を投入する事態となり、中国が力づくで抑え込んだために大量の死者が出てしまうんだ。当然ながら中国は報道規制を実施するのだけど、インターネットが普及し始めた頃であり、情報がチラホラと漏れてしまい、死者は200人を超えるほどの大惨事になっていたみたいなんだ。
当然ながら国際社会から強い非難を浴び、それに伴い中国株は大きく下落する事態に。玖龍紙業にとっては、タイミングも悪く、ちょうど決算発表が行われ日であり、その決算内容も悪かったこともあって株価の下落が止まらない状態になってしまったんだ。



なんて事だ・・・
玖龍紙業の株価は僅か1日で40%もの大暴落を引き起こし、株価は 6.6香港ドルになってしまった。私が 11.0香港ドルで2回目のナンピン買いをしてから僅か1週間ほどの出来事なんだよ。たった1週間で玖龍紙業は私の2回目のナンピン買いした株価から 40%も下がるなんて悪夢としか言いようがないよね。
それでも勇気を振り絞って3回目のナンピン買いに突入するんだ。6.6香港ドルに下がっていた玖龍紙業を拾っていく事にしたんだ。
流石にここまで下げたら、もう下がらないだろうと思っていたのだけど、それから数か月後にはあいつがやってくるんだよね。そう、リーマンショックが・・・。
投資家なら誰もが一度は聞いた事があるリーマンショック。あの悪魔のリーマンショックが起こったんだよね。



怖ぇ~よ、リーマンショック
玖龍紙業の株価は、なんと 3.5香港ドルにまで下がってしまうんだよ。半年ほどまえに勇気を振り絞って3回目のナンピン買いをしたのに、その株価から更に半額ぐらいにまで下がっちまうんだ。閉店大放出のバーゲンセールやってんじゃないんだから。
もうここまで来ると思考能力も停止して、意味も分からず4回目のナンピン買いを実行しているんだな。もはやヤケクソだよね。3.5香港ドルで4回目のナンピン買い。高値から 86%下落のビックバーゲンセール状態だよ。私の最初の買値(20.9香港ドル)からでも 83%の下落という救いようのない状態だね。
で、ここで終わらないのがリーマンショックの恐ろしさ。更にまだまだ下がっていくんだよ。
流石に何処までも下がっていく株式市場に怖くなってきたんだよね。泥沼状態どころか底なし沼のような感じで引きずり込まれたら這い上がれない気がしてくるんだ。あまりに下がり続ける市場に怖くなりすぎて、ついには狼狽売りをしてしまうんだ。
3.5香港ドルで4回目のナンピン買いを実行してから僅か2週間後には、玖龍紙業の株価は 2.7香港ドルと4回目のナンピン買いから更に 20%も下落しており、ここが限界だったんだ。保有している全ての玖龍紙業を売却したんだ。



もう、投資は怖いよ・・・
| 玖龍紙業 | 株価 | 購入(売却)金額 |
|---|---|---|
| 2007年11月06日 | 20.9香港ドル | 94万円(購入) |
| 2008年01月29日 | 12.8香港ドル | 36万円(購入) |
| 2008年03月17日 | 11.0香港ドル | 15万円(購入) |
| 2008年03月24日 | 6.66香港ドル | 25万円(購入) |
| 2008年09月17日 | 3.50香港ドル | 10万円(購入) |
| 2008年09月30日 | 2.75香港ドル | 39万円(売却) |
最初に 20.9香港ドルで投資をしてから僅か1年ぐらいで約80%も下がってしまうんだぜ。何度ナンピン買いしても、どうにもならなかったぜ。もう心が折れちまったぜ。180万円ぐらい投資して、39万円しか回収できなかったぜ。141万円も飛んで行ったぜ。何か月もただ働きしないと取り戻せないぜ。



ボロボロだね



最悪の展開だね
これ、「それでも我慢すれば、いずれは相場も戻るやん」と思う人も多いと思うんだ。確かに、いずれは相場も戻るのだけど、「いつ戻るのか」は誰にも分からず、何処まで下がるか分からない恐怖は見聞きするのと体感するのとでは本当に全然違うんだよな。
ちなみに、私が売却したのは 2.75香港ドルの時点なのだけど、それからもまだまだ下がり続けていて、0.72香港ドルにまで下がっていくんだよね。私が売却した時点から更に 73%も下がっていくんだぜ。



それでも、耐えれるかい?
この玖龍紙業への投資は私の投資人生の中でも最大級の失敗の1つです。
・高値から〇〇%下がれば買えばいい
・ナンピン買いすれば、いずれは勝てる
・暴落時はチャンス
これらは、けして間違いではなく、やり方によっては正しいとも思うのだけど、かといってこの通りにやれば必ず勝てるという訳でもないんだな。
指数とかに投資しているんだったら、まだ何とかなるんだけど、個別株の場合はヤバい事がチラホラとあるよ。
この玖龍紙業は、あれから 18年経った今の株価が 6.0香港ドルだから、あのままホールドを続けていてもボロボロでどうしようもないんだな。
本当に個別株に投資する場合は少し気を付けた方がいいよ。アホみたいにナンピン買いをすると地獄の底まで道連れにされてしまう事があるよ。



良い子は真似しないでね


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