2年連続の20%以上の相場上昇の勢いを受けて年始の頃は順調に上昇していた米国株市場。それが突然2月下旬頃から急ブレーキが掛かり、大幅な下落をしたのが4月でした。トランプ大統領が打ち出した関税施策によって米国ではインフレが進むと想定されたことにより、米国経済が不景気に突入するという事で株価は約 20%ほど下落したのでした。

関税の影響により物価が上がると想定されていたね



せっかくインフレが収まりつつあったのに再燃懸念が高まったね
トランプ大統領が関税を突然引き上げる施策を実施した事によって、物価が上がってインフレが進むと想定されており、物価高によって不景気が引き起こる可能性が高まってしまい、不景気を抑えるためにFRB(米連邦準備制度理事会)によって利下げが必要とされるのですが、インフレが起こってしまうと利下げが困難になります。
通常であれば、「景気悪化 → 利下げによる景気刺激」というのが王道の金融政策なのですが、インフレが進んでしまうと物価高を抑えるために「インフレ → 利上げによる物価高抑制」という金融施策が必要となり、インフレと景気悪化が同時進行してしまうと、どっちの金融政策(利下げも利上げ)も取りにくいという状態になってしまいます。
いわゆるスタグフレーション(不景気とインフレの同時進行)となり、経済状況の中では最悪の展開とされています。
トランプ大統領が実施した関税施策によって、インフレと不景気が同時発生する可能性が高まり、最悪のスタグフレーションが起こるかもしれないという事で株式市場は大きく動揺して4月には高値から 20%も下落するような状態となったのでした。
ところがその後の展開は皆さんもご存じのようにジリジリと再び上昇を始めており、気が付けば年初来高値を越えて、史上最高値を再更新するような展開となっていて、S&P500は年初よりも 9.6%も上昇している状態となっています。
では、今の経済状況は3月や4月の頃から大きく改善されているのかというと別にそういう訳でもなく、依然としてインフレリスクは顕在し、景気悪化への懸念も強く残っています。
相場って不思議なもので、これから起こるかもしれない不安に対しては大きく反応してしまうのですが、いったん通過すると慣れてきたというか次の展開(いずれは景気が持ち直す)を期待して雰囲気が良い方向に変わったりするんですよね。
なので、皆が騒いでいる時ほど無関心になる方が良いんだよね。
ただ、なかなかそれを実行するのは難しかったりするので、不用意なリスク(高いリスク)を取り過ぎないように普段から気を付けておく方がいいかもしれないね。
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