アメリカには日本の中央銀行(日銀)のような役割を持つ連邦準備銀行が地域ごとに 12行あり、その一つにテキサス州を中心に担当しているダラス連邦準備銀行があります。そのダラス連邦準備銀行が毎月最終月曜日に発表しているのがダラス連銀製造業景気指数です。

製造業景気指数はいくつかの地域ごとに発表されているね



フィラデルフィア連銀やリッチモンド連銀なども発表しているね
ダラス連銀製造業景気指数とは、テキサス州を中心とする第11連邦準備地区(テキサス州、ニューメキシコ州北部、ルイジアナ州南部)の製造業の景気指数を表した指数です。第11地区は全米でも製造業が多く集まっている地域であり、特にテキサス州は全米の約10%近い製造業の生産を占めている地域です。なので、製造業の状況を表す重要な指標の1つと言われています。
テキサス州を中心に約100社の製造業経営者に対してアンケート調査を行っており、生産、雇用、新規受注、価格、在庫などの指標について、前月比で「増加」「減少」「変化なし」のいずれかを回答してもらい、それを元に指数を構築していきます。
今回(4月28日発表)のダラス製造業景気指数は、前月のマイナス17.0ポイントから大幅に減少したマイナス35.8ポイントとなっていました。市場予想がマイナス17.0ポイントだったので、市場予想よりも大幅に低下した数値となっています。
トランプ大統領が進める関税政策による混乱が製造業の現場では生じており、多くの経営者たちが現状を「カオス(混沌)」や「マッドネス(狂気)」という言葉で表しており、関税政策の不透明さが製造業に悪影響を与えているようですね。
「中国との貿易戦争による関税の影響が収まらなければ中国への売上がゼロになる」や「この状況が続けば中小企業が倒産する恐れがある」と懸念を表す経営者もいる事から関税政策への対応に苦慮している経営者が多数いるようです。
テキサス州はエネルギー産業(石油・ガス)や製造業が強く、米国経済全体の動向に影響を与えるため、ダラス製造業景気指数は全米的な経済指標としても注目されているので、その指数の結果が思わしくなかったことは今後の経済状況に暗雲が立ち込めている様子を表していますね。
トランプ大統領が掲げる関税施策は出来るだけ早期に収拾していかないと経済や企業へのダメージがドンドンと蓄積していくので、いつまでも米国有利な条件にこだわらずに交渉をまとめて欲しいですよね。
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