米国の経済指標などがイマイチな状態となっていたことから米国株市場が下落する展開が続いています。雇用状況も悪くなっており、失業率も上がっている事から、リセッションに突入し始めたのではないかという懸念が持ち上がり、リスク回避の観点から株式市場から資金が抜けていく展開となっています。
まだまだ下落は続くのかな
年初からかなり上昇しているので、まだ下げる余地は充分にあるかな
今回(7月31日)のFOMCにおいては、利下げは見送られる事となり、次回の9月に利下げが行われることが濃厚となっていますが、景気が悪化し始めていると感じられることから、7月に利下げをするべきだったのではないかという意見も出始めており、利下げの判断が遅れているという雰囲気が少しずつ出ています。
次の9月に向けて、株式市場では利下げを催促する動きが強まる可能性があり、そうなると「利下げを早くしろ」という圧力と「利下げ幅を0.25%ではなく0.50%にしろ」という圧力が高まって、株式市場は催促相場となっていく事で下落を速めていくという可能性も浮上しています。
どちらにせよ、現状においては利下げは確定路線となっており、市場の関心は利下げ幅がどの程度になるのかという事と、年内に何回の利下げを行うかという点に関心事項が移ってきています。
さて、利下げが濃厚となっていくのであれば、米国債券などが有力な投資先として浮上してきます。株式市場が軟調だったとしても、利下げを行っていくのであれば政策金利が下がる事で債券価格は上昇していく事になります。債券に投資をしていれば、株式市場の下落に対するリスクヘッジとなっていきます。
では、今から米国債券に投資をしていくのは遅いのだろうか?
個人的には、別に遅くはないのかなと思っています。もちろん、4月や5月頃のもう少し10年物の債券金利が高い時に債券に投資をしている方がベストなのですが、今からでも充分なリスクヘッジにはなると思います。
例えば、私が米国債券に投資をしたのは、去年の12月や今年の1月頃なのですが、私が投資をした米国債券の平均購入単価と現在の米国債券価格を比較してみると、あまり大きくは変わっていません。なので、今から投資をしても、私が購入した水準とそれほど違いはないので、今から購入しても遅いとは思わないです。
米国債券銘柄 | 私の平均購入単価 | 現在の単価(株価) |
---|---|---|
TMF(20年超米国債ブル3倍ETF) | 49.69ドル | 59.41ドル |
EDV(超長期米国債ETF) | 78.54ドル | 79.70ドル |
2621 (米国債20年超ETF) | 1310.74円 | 1269.00円 |
TMFは3倍レバレッジなので、さすがに購入時よりも20%ほど上昇していますが、EDVなどは私の買値よりも1.5%程度しか上昇していないし、2621( i シェアーズ米国債20年超ETF:為替ヘッジあり)については私の買値よりもまだ3.1%ほど低い単価となっています。
今後、利下げを行っていくのであれば、米国債券の単価はまだ上がっていく(金利が下がれば債券価格は上昇していく)事になるので、今から買ってもその恩恵に預かる事は出来ると思います。
まあ、私が購入した時期も今から思えば良い時期とは言えないので、ベストなタイミングでは買えていませんが、それでも株価が下がっても利下げが行われるのであれば債券価格は上昇してくので、リスクヘッジにはなっています。最近の下落相場でも、債券ETFは上昇しているので助かっています。
ただし、気を付けないといけない点はTMFやEDVなどはニューヨーク市場に上場している米国債券ETFなので、ドル建てだという事です。ドル建てなので円安だと円換算した時には有利になりますが、円高になると円換算すると不利になります。私が購入したEDVなどは円安の恩恵を受けているので、単価(株価)だけで計算すると購入時よりも1.5%程度の上昇ですが、円換算すると3%ほどのプラスになるので、円安のおかげで上昇率が上乗せされます。
これが円高に振れると逆の作用に働いてきます。
債券価格の上昇が円高の上昇率を上回っていればいいのですが、債券価格の上昇分よりも円高の進行度合いの方が高ければ円換算した時にマイナスリターンになっているかもしれません。今のドル円相場が146.5円なので、例えば130円になれば為替相場の下落幅だけで11%ほどの下落になるし、120円になれば18%ほどの下落となります。
個人的には、為替レートの動きよりも債券価格の上昇率の方が上回っていくだろうと思っていますが、想定通りに債券価格が動かなければ円換算した際に損失を被る可能性があるかもしれませんね。
それを考慮すれば、日本市場に上場している米国長期債券ETFである2621( i シェアーズ米国債20年超ETF:為替ヘッジあり)の方がいいのかもしれませんね。
為替ヘッジがあるので、円安の時は上昇の恩恵を受けにくくなりますが、円高になると為替損の影響を受けにくくなります。
米国では利下げをする可能性が非常に高くなっており、しかもリセッションになっている可能性があるので、そうなると利下げ幅も大きくなっていくかもしれません。更に、日本は更なる利上げを行う可能性があり、米国は利下げ・日本は利上げとなると、日米の金利差はますます縮まっていきます。
そうなると、今よりも円高に振れる可能性が高くなっていきます。
米国の利下げによって米国債券価格が上昇していく、日米の金利差の縮小によって円高に振れていく。
このように想定するのであれば、為替ヘッジがある米国債券ETFの2621などは今から買っても問題ないのではないかなと思っています。
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