新NISA制度が始まって、2か月が経過しましたね。皆さんは、新NISA制度をどのように活用されているのでしょうか？ 年初に一括で新NISA口座の枠を埋める方もいれば、数回に分けて入金して購入していく方もいるだろうし、すでに保有している特定口座の分を解約して新NISA口座に移し替える方もおられると思います。
コツコツと入金していくつもりです
私は特定口座の分を入れ替えようと思います
新NISA制度は、保有株を売却した際に非課税に出来るので是非とも利用したい制度であり、一人当たり年間で360万円分（つみたて枠120万円・成長投資枠240万円）の非課税枠が最大で5年分の合計1800万円分も使えるので、非常に有利になりますよね。夫婦2人だと3600万円もの非課税枠となるので、これさえ埋めれば老後の生活は安定すると思います。
さて、私の場合はすでにFIREしているので、新規に入金してNISA口座の枠を埋めるというのは現実的ではないので、特定口座で保有している分を解約しながらNISA口座の枠を埋めていくという形になります。
ただし、特定口座の保有分を売却するという事は、含み益がある銘柄は売却した際に税金を支払う必要があります。そうなると、税金を支払った分だけ保有資産が減ってしまう事になります。
せっかく非課税になるといっても、売却して税金を支払う事で保有資産が減ってしまっては本末転倒なのかもしれないので、税金を支払ってでも非課税に入れ替える方がいいのかを少し検証していました。
結果としては、税金を支払っても非課税にしておいた方が、その後に非課税枠にいれた資金が上昇すれば、充分に元は取れる。というよりは、非課税に入れ直した方が将来的には利益が出る事になります。
例えば、株価が上昇していて買った時よりも2倍に増えていたとしたら、売却した時にたくさん税金を払わないといけなくなります。180万円で購入した銘柄が、2倍になって360万円になると、利益は180万円なので税金（20％と仮定）は36万円も引かれてしまいます。そうなると、手取りは324万円となってしまいます。
売らなければ360万円のまま増えていきます。売却してNISA口座に入れ直すと324万円に減った状態でリスタートとなります。これで、税金を払っても追いつくのだろうか？
「元本180万円が2倍の360万円になる。その後の成長率は年間20％とする」
| 元本180万円が2倍 | 特定口座のまま | 売却後にNISA口座へ |
|---|---|---|
| スタート時点 | 360万円 | 324万円 |
| １年経過 | 432万円 | 388万円 |
| ２年経過 | 518万円 | 466万円 |
| ３年経過 | 622万円 | 559万円 |
| ４年経過 | 746万円 | 671万円 |
| ５年経過 | 895万円 | 806万円 |
| １０年経過 | 2229万円 | 2006万円 |
あれ？特定口座のままの方が多いやん
私も最初はそう思った(笑)。売却すると違いが出るよ
それぞれの口座で保有したままの状態であれば、たしかに特定口座のままにしておく方が多い事になります。ただし、NISA口座の神髄は「売却した時に非課税になる」と言う事ですよね。なので、これを売却してみると、本当の実力が分かります。
例えば、5年経過した時を確認してみると、そのまま口座に保有している状態では、特定口座のままだと895万円なのに対して、NISA口座の方は806万円となっています。これだけみると、特定口座のままの方が有利に感じてしまいます。
そこで、5年後にそれぞれを売却してみます。すると、特定口座の方は、895万円から元本の180万円を引いた715万円が利益となり、この715万円に税金（20％と仮定）が掛かります。すると143万円が税金として引かれてしまいます。つまり、895万円から税金の143万円を引いた金額の752万円が売却後の金額となります。
一方で、NISA口座の方は非課税なので売却してもそのままの金額である806万円となります。
5年経過後売却
特定口座 752万円
ＮＩＳＡ口座 806万円
つまりは、特定口座からNISA口座へ入れ替えする際には税金を引かれてしまうけれども、それでも入れ替えておいた方が後々で売却した際にはNISA口座の方が有利になるという事なのです。
なので、淡々と特定口座の資金をNISA口座へ振り替えていこうと思います。
しかしながら、少しだけ面倒な事が1つあります。
それは、同じ金額を売却して、NISA口座に振り替えると現金がガンガンと減っていくという事です。
例えば、eMAXIS Slim米国株（投資信託）を100万円を売却して、同じ金額の100万円をNISA口座に入れ替えるとします。
すると、特定口座の分が100万円減って、NISA口座に100万円新しく加わる事となります。そこまでは良かったのですが、売却した特定口座の100万円には当然ながら利益に対する課税がありますよね。例えば、私の場合は100万円売却すると9万円ほど税金が引かれました。
これ、NISA口座の枠が360万円なので、単純に3.6倍すると33万円の現金が減る事になりますよね。5年間だと165万円も現金が減る事になります（夫婦合計だと330万円も現金が減る事になる）。ちなみに、この計算も今の含み益で計算しているので、今後に株価が上昇すれば支払う税金の金額は更にあがります。
これだと、特定口座からNISA口座に入れ替えつつ、毎年33万円分（夫婦合計では66万円分）新しく買い増している状態になりますよね。
それは嫌なので（キャッシュは、あくまでも必要な時に使えるように温存しておきたい）、そうなると税金で取られる分を余分に売却していく必要があるので、その都度、税金で引かれる分を考慮して売却する必要があるので、意外と計算するのが面倒なんですよね。
まあ、それでもとりあえずは特定口座のままで保有しているよりも、売却してNISA口座に入れ替えていった方がお得になるので、随時入れ替えていく予定です。
特定口座からNISA口座に入れ替えると、一旦税金が引かれる事になりますが、結局はNISA口座に入れ替える方が将来的に引かれる税金を考慮するとNISA口座の方が有利になるので、コツコツと入れ替えていくのがベストなようですね。
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